いま大流行のせいろで作りたい。餃子より圧倒的に簡単な「手作り焼売」の極意
肉と玉ねぎの下準備は別々に
たねを混ぜ合わせる前に知っておきたいのは、餃子も焼売もひき肉ベースの具を小麦粉の皮で包んだものですが、この二つ、実は全く違うものだということ。 焼売のひき肉はしっかり肉感を出すため調味料のみを加え、餃子のように水分は加えません。そして野菜は、餃子のように塩もみで水分を抜くのではなく、片栗粉をまぶすことで加熱の際に出る水分にとろみをつけます。それが肉と合わさって焼売の独特の弾力となるのです。 つまり全ての材料をボウルの中で混ぜ合わせてしまうと、肉に片栗粉が混ざって食感は硬くなる。一方玉ねぎには片栗粉が直にあたらず蒸した時に水 分が外に出てしまう。こうなると仕上がりが残念なものになってしまいます。 さあ、まずは肉の味つけから。ひき肉に醬油や砂糖、時にオイスターソースなどを混ぜ込みます。ここで練りすぎると仕上がりが硬くなってしまうので、混ざり合う程度でストップ。みじん切りにしたねぎやおろしショウガを焼売 加えれば、味わいが深まりますよ。 そして野菜には、片栗粉を多めにまぶしましょう。そうして下準備をした肉と野菜を合わせたたねは、くれぐれも練らないように。均一になるくらまで軽く混ぜます。
“蒸す”ことの幸せ
皮の包み方は餃子より簡単です。焼売は、底と側面に皮があればいいのであまり難しく考えず、手のひらに皮と多めのたねをのせ、指を軽く丸めながら皮を立ち上げ、もう片方の手の指を使って軽く捻るようにしながら筒状にたねを包みます。その時に指の腹で底を作ると、蒸している時に倒れることもありません。 そしてあとは蒸すだけです。と、ここで蒸し器がないから電子レンジで……という声が聞こえてきそうですが、レンジはおすすめできません。焼売はたっぷりの蒸気があるからこそ皮がやわらかく蒸し上がるのであって、それがないレンジでは硬くなってしまいます。 最近はフライパンや鍋に入る蒸し段も多いので、ぜひ蒸すということにこだわって作っていただきたいです。 蒸し段にオーブンシートを敷いて焼売をのせ、蒸し器にたっぷり湯を沸かして蒸し段をのせたら15分ほどでできあがりです。 ふんわりジューシーに蒸し上げた焼売を、熱々のうちに辛子醬油で食べるちょっとした幸せ。いったん蒸したら再加熱はレンジでもOKなので、少し多めに作って残りは冷凍しても。冷凍庫に手作り焼売のストックがあると思うと、忙しい日々でも心が少しホッとしませんか。 ------------------------------------------------------ 焼売 材料(30個分) 焼売の皮 1袋(30枚) 豚ひき肉 400グラム 玉ねぎ 大1個 長ねぎ(みじん切り) 大さじ2 おろしショウガ 小さじ1/2 片栗粉 大さじ4 醬油、ごま油 各大さじ1 オイスターソース 小さじ1 【1】ボウルに豚ひき肉、長ネギ、おろしショウガ、醬油、オイスターソース、ごま油を入れ、軽く練り混ぜる。 【2】別のボウルにみじん切りにした玉ねぎを入れ、片栗粉をまぶして【1】に加え、混ぜ合わせる。 【3】30等分にして焼売の皮で包み、15分ほど蒸す。 第5回は、上田淳子さんがフランスで覚えたキノコの最強の調理法をお伝えします。
上田 淳子(料理研究家)