中京大中京・高橋監督が語った決勝打までの物語 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第6日の25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦の最後の1試合が行われ、中京大中京(愛知)が専大松戸(千葉)を2-0で破った。中京大中京は春通算勝利数を56に伸ばし、東邦(愛知)と並ぶ歴代1位となった。 【中京大中京vs専大松戸の試合を写真特集で】 ◇中京大中京・高橋源一郎監督 両チームの投手が粘り強く投げ合った。七回に得点した櫛田(理貴選手)のランニング本塁打の打球は、ウチにツキがあったのかなと感じた。二塁走者の原(尚輝選手)には「一本で還ってこい」、打席の櫛田には「直球、カットボール、スライダーのどれかを思い切って振りなさい」と伝えた。 櫛田は当初はベンチ入りメンバー外だったが、メンバー変更ができるぎりぎりのところで急成長した。この冬、三塁コーチャーだった櫛田に「コーチャーと選手、どちらをやりたいんだ」と尋ねたところ「選手です」と。練習に取り組む姿勢の素晴らしさは周りも認めており、私も信じてみたいと思った。結果だけでなく、選手の気持ちをくむ必要があると思っている。 ウチの打線が消極的だったというより、深沢(鳳介)投手の好投で打てずにいた。昨秋から球速や制球力を確実に上げてきているのに加え、腕の振りも良い。振り具合から感じられる以上に速い。遅い球も投げられるので、打者がタイミングをずらされて思うようにバットを振れなかった。 ◇原尚輝主将「見たことがない球だった」 積極的に打ちにいくことができず、個人としても打ってはいけないインコースのシュート系の球を振ってしまった。初めての甲子園で力みもあって、序盤から中盤にかけて得点できなかった。 (専大松戸の深沢鳳介投手は)昨年秋の段階では130キロ中盤から後半という感じで、それを頭に入れて対策してきた。しかし、一冬を越えて成長しており、140キロ前半の直球に遅れてしまった。シュート系の横から投げる投手に慣れておらず、見たことのない球で対応が難しかった。 浮いたスライダーやカーブは振れていた。だが、ストライクからボールになる球や、ワンバウンドの球にも手が出てしまった。カウントを悪くして、相手投手が有利な状況を作ってしまったことは修正しなければならない。 次戦の常総学院も素晴らしい投手。積極的に振っていくとともに、ストライクからボールになる球の見極め、打ちにいくボールとそうでないボールをはっきりさせることが大事になってくると思う。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。