大注目! 70年代を彷彿させるノスタルジックなムード。【2024年秋冬トレンド解説|柴田麻衣子編】
Q3. 特に印象に残ったブランドとその理由。
Answer:著名な師やメゾンでの経験を取り入れつつも、新しいアイデアと自分ならではのコードのようなものを掛け合わせ、ユニークなコレクションを見せてくれた若い才能が印象的だった。 ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクの元で学んだジュリー ケーゲルはニットも布帛も、バッグ用レインコートなどのアクセサリーアイテムまでフルラインナップで高いレベルのデザインができるのがすごい。 衣服のみならず、ベルトやスプーン、まち針などあらゆるものをアップサイクルしてクールに蘇らせるホダコヴァは、アートピースと見紛うほどの斬新なアイデアに驚かされた。元バレエダンサーで、デムナの元で経験を積んだアラインポールは、テーラリングとダンスの要素を上手く掛け合わせたアイテムが揃い、まだ2シーズン目ながらすでに自身のコードを確立しつつある。
Q4. コレクション取材を終えて感じることは?
Answer:セレブマーケティングとそれにまつわるトラブルが印象に残っています。 各ブランド会場内外、セレブリティの熱狂騒ぎは過熱状態で、エントランスも大混雑。あまりの人だかりに入口がわからず遅刻しそうになったり、ガラパーティ会場ではセレブの写真を撮ろうとする人の雪崩に巻き込まれて足にけがをしたりと、プチ事件の連続でした。 柴田麻衣子 Maiko Shibata リステア バイヤー&クリエイティブディレクター @maikorestir *「フィガロジャポン」2024年7月号より抜粋
photography: Spotlight