「どのタイミングで出てくるかわからない」ごく稀に発症『重症型薬アレルギー』 注意点と最新研究
薬アレルギーについて考えます。 薬剤の使用で発疹が現れる薬アレルギーには、ごく稀に重症型があります。重症型は命に関わるリスクも高く、その注意点や最新の研究を医師に聞きました。 【写真を見る】「どのタイミングで出てくるかわからない」ごく稀に発症『重症型薬アレルギー』 注意点と最新研究 山梨大学医学部 木下真直医師: 「子どもから大人、高齢者まで発症する。それがどのタイミングで出てくるかわからないので認識しておくべき病気」 山梨大学医学部の講師で皮膚科が専門の木下真直医師です。 木下医師が注意を呼びかけているのは薬剤によって発疹が現れる薬アレルギー、特に、重症型の薬アレルギーです。 山梨大学医学部 木下真直医師: 「左側が通常の薬アレルギー、多くは軽症で済む。右側が重症の薬アレルギーで進行した場合」 「進行してしまうと皮膚がむけてしまう。そして命にも関わってくる」 薬アレルギーは、飲み薬や注射薬など体内に入るあらゆる薬剤が原因となる可能性があり、通常は原因とされる薬の中止で症状が治まっていきます。 一方で重症型は発生の頻度は10万人に1人程度とごく稀ですが、適切な治療を受けないと失明や呼吸障害といった重い後遺症や、死亡のリスクが高くなるといいます。 山梨大学医学部 木下真直医師: 「初期の内は全身の赤みだけなので、通常の軽症のタイプの薬アレルギーと見分け上の区別が非常に難しいというのが問題」 「早目に対処すれば後遺症も残りにくく、助かる確率も上がる」 木下医師は10年ほど前から重症型薬アレルギーの早期診断につなげる研究をはじめ、重要な「新発見」をしました。 山梨大学医学部 木下真直医師: 「好中球という細胞の変化を観察している」 発症のカギは血液細胞の「好中球」。 白血球の一種で、本来は細菌などから体を守る大きな役割を果たしているのですが… 山梨大学医学部 木下真直医師: 「健康な人や軽症の薬アレルギーの人の好中球は、くりっと丸い状況だが、重症型の薬アレルギーの好中球は網目のように繊維が伸びているのが確認できる」 これは、好中球が細菌などから体を守る時と同じように活性化している状態だといいます。