<#わたしの新庄・3回目のセンバツへ>支える人たち/35 高橋裕昌トレーナー /広島
◇使命感持ってケア 高橋裕昌トレーナー(40) 福山市でしんきゅう整骨院を営む傍ら、広島新庄の専属トレーナーを担う。試合に帯同して選手たちの体をケアし、ウオーミングアップ中に助言することも。「体がしっかり動くようになった」「ボールが遠くまで届くようになった」。そんな声が耳に届くたび、顔をほころばせる。 元高校球児。盈進高校では元広島東洋カープ投手の江草仁貴さんが同級生で、遊撃手のレギュラーを張った。京都市にある大学でも野球を続けたが、進学直後、練習で右肩に違和感を覚える。肩関節の軟骨が傷ついた関節唇損傷、いわゆるルーズショルダーだった。 手術を受けたが、リハビリを経て復帰したときは3年生になっていた。「中途半端な現役生活だった」。そう振り返る一方で、リハビリに付き添ってくれた人や同じく故障からの復帰を目指す選手の姿に「支える仕事」への興味を覚えた。おぼろげながらも、将来の輪郭を描いていた。 家電販売員として2年間働いた後、広島市内のトレーニングクラブでアルバイトをしながら、しんきゅう師と柔道整復師の養成学校に計6年通って資格を得た。当初はプロ球団での施術を志したが、広島新庄の部長に誘われて2011年6月から専属トレーナーに。高校生へのケアは「成長を一緒に感じられる魅力がある」と言う。 試合でミスした選手には、あえて触れない優しさも。「チームの一員として、心一つに使命感を持ってサポートしたい」と話す。知識と経験に基づいた施術で、甲子園で躍動する選手たちを支える。【中島昭浩】=つづく ◇ 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の開幕が19日に迫った。2年連続3回目の出場を決めた広島新庄を取り巻く、支える人たちを紹介する。