映秀。が語る新曲「涙のキセキ」と時間旅行、過去を振り返ることの重要性
現役大学生シンガーソングライターの映秀。が、2025年1月22日にリリースする約3年ぶりのアルバム『音の雨、言葉は傘、今から君と会う。』より新曲「涙のキセキ」を12月4日に先行配信。来年2~3月には東名阪ツアーの開催も決定している彼の最新インタビューをお届けする。 【画像を見る】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」 約1ヶ月の短いスパンで届けられた新曲“涙のキセキ”。コンセプトはその名のとおり、涙の《軌跡》を辿ること。人生は《奇跡》みたいな瞬間の連続で、喜びも悲しみも味わってきたからこそ今がある。流した涙の軌跡を辿れば、歩むべき未来も見えてくるはず。だからこそ、過去を振り返るための時間旅行に出かけようーーそんな映秀。のメッセージが、高揚感に満ちたファンタスティックなサウンドで表現されている。 「『そのままでいいんだよ』と肯定してくれる曲はたくさんありますよね。でも現実問題、 自分の過去と向き合わなければいけない瞬間は誰しもあるはず。嬉し涙も悲しい涙もひっくるめて振り返ることで、次に進んでいく先が見えてくるんじゃないかって。そこから《時間旅行》っていうワードが出てきたんです。『一緒に振り返っていこうよ!』みたいな曲を作りたかった」 デビュー当初の人気曲“東京散歩”で《明日じゃなくて 今日を生きろ/未来じゃなくて 今を生きろ》と歌っていたように、映秀。の音楽活動において「今を生きること」は大きなテーマの一つだった。そんな彼も、さる11月13日にメジャーデビュー4周年を迎え、来年の春には大学を卒業見込みと、人生のターニングポイントを迎えている。 「最近は卒論にするために、自分の歩みを自伝みたいにまとめていて。これまでは学生だったので、(周囲が用意してくれた)レールに乗りながら生きてきたけど、卒業したら自分でレールを組まなければいけない。そのためにも、過去の自分を振り返っておきたかった。今こういう曲を作ったのは、実人生とリンクする部分もあると思います。その一方で、どんな世代でも楽しめる曲にしたかった。この曲のテーマは若い人にも響くだろうけど、(年齢が)上になるほどわかると思いますし」 1番で《奇跡みたいな毎日》を描いたあと、2番で歌われるのは《悪夢みたいな今日》。きらきらした日常の記憶とシビアな現実を対比させつつ、胸のどこかに残ったモヤモヤ、水に流すことのできなかったわだかまりに思いを巡らせる。そこから聞き手の肩を叩くように《涙にして置いてきたんでしょ?/ならいつかは取りに帰らなきゃ/時間旅行に出かけよう》と呼びかけ、《ハローハロー毎日越えて超えて/ハローハロー僕らはここまできた》と歌い上げる終盤は実にエモーショナルだ。 「個人的なお気に入りは、《嬉しくても悔しくても流るる一条の光/忘れず大切に想うよ/時に思い返す》っていうくだり。過去の思い出はすべて今とつながっているわけで、流した涙を振り返ればちょっと強くなれる気がするんですよね。『これまでも乗り越えてきたじゃん!』って。そう気づくきっかけになったら嬉しいです」