千曲川の堤防決壊から5年 “リンゴの里”長野市長沼は今 担い手減少…新規就農者に期待 台風19号災害の被災地の現状
特集は台風19号災害の被災地の現状です。堤防決壊の地・長野市長沼はリンゴの産地。 被害が広がった畑は復旧し、盛んに栽培が行われていますが後継者不足などの課題に直面しています。そうした中、移住して新規就農を目指す人も。リンゴの里・長沼の今を取材しました。 【動画で見る】千曲川の堤防決壊から5年 “リンゴの里”長野市長沼は今 担い手減少…新規就農者に期待 台風19号災害の被災地の現状
■期待の新人 埼玉から移住
真っ赤に色づいたリンゴ。9月末、長沼地区のリンゴ畑では「秋映」の収穫が盛んに行われていました。 リンゴを選定する茂垣明徳さん(55)。 茂垣明徳さん(55): 「今の時期はこれをひたすらやっています。(この日収穫は)1.5トンくらい」
茂垣さんは地域おこし協力隊員。2023年1月、埼玉県から長沼に移住してきました。 その理由はー 地域おこし協力隊員・茂垣明徳さん: 「ずばり、リンゴ栽培を勉強させていただいているところ」 栽培のノウハウを学び2026年にはリンゴ農家として独り立ちする予定です。
指導するのは若手生産者でつくる組合「ぽんど童」のメンバー。「ぽんど童」は2010年に結成され、栽培されなくなった畑を借り、リンゴを生産しています。 ぽんど童・小滝和宏さん: 「地域全体がもう高齢化してきており、やはり規模縮小、離農もちらほらある中でここでリンゴを作りたいと手を挙げてもらって、実際に本当に来てもらえてよかった」 長沼のリンゴ栽培は5年前の災害以降、生産者が減り後継者不足も一段と進んでいます。そうした中、移住してきた茂垣さんは、いわば期待の新人です。
長沼は濁流にのみ込まれリンゴ畑も泥水につかりました。 泥が堆積した果樹の農地は長沼だけで290ヘクタール。
「ぽんど童」小滝さんの畑も。 小滝和宏さん(当時): 「青々していたけど土砂とともに枯れて窒息が顕著に出た。状況を見ると、全部植え替える方向」
多くのボランティアが入り泥やゴミの撤去が進められ畑は少しずつよみがえっていきました。 小滝和宏さん(当時): 「お客さんに、また来年以降、おいしいリンゴを送りたい。息子が農家やりたいと思えるような形をつくりたい」