あなたは安全地帯に留まっていませんか…!? ITの導入で広がる格差社会の中で勝ち組になるための「秘訣」とは
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第67回 『リストラはもうすぐそこ?…ITの導入で加速する人材飽和から生き延びるために必要な「リスキリング」をご紹介!』より続く
現場のレジ担当者の声
こんな話があります。地方のスーパーが人手不足を懸念して、セルフレジの導入を推進したそうです。慢性的な人手不足に対応できる。 いまのレジ担当の人たちもずっと立ちっぱなしでレジを打ち続けるだけではなく、余剰時間ができて企画や販促といった生産性が高い仕事についてもらえる。経営陣はそう考えたそうですが、現場のレジ担当者のほとんどが反対したそうです。 「お客さまは機械のレジになんて慣れない」 「人と人の触れ合いが大事」 「新しい機械を入れる費用を出せるなら、給料を上げてほしい」
本当の反対理由
いわゆるDX推進時によく起こることなのですが、すべてをセルフレジにするわけでもないですし、給料アップとセルフレジ導入は別の話。レジだけでなく販促などに携わればそれこそ給料アップの可能性もあります。 そこで、DX推進コンサルタントが根気よく話を聞き続けて、どうやらこれが本音らしいという話を聞き出すことができたというのです。 「ただレジを打つだけでいい。それで少し給料を上げてほしい」 これまでやってきた、慣れ親しんだレジ打ちだけをやっていたい。新しいことには取り組みたくない。そういう理由だったというのです。 まさに、コンフォートゾーンから出たくない、が反対理由だったのです。そのDX推進コンサルタントは、驚いたといいます。そのコンサルタントは「誰しも単純作業から解放されて、生産性が高い仕事をしたいはずだ」と思っていたそうなのです。そうではない、単純作業で給料をもらうコンフォートゾーンにい続けたいという欲求があるということに気がつき、それを踏まえた対応に変えたそうです。