「バチバチするのはプロの技」「年収2.5億円はうそ」 ホラン千秋、強気なイメージに隠れた謙虚な素顔
バラエティーや報道番組で活躍するホラン千秋(33)。年上の男性にもかみつく強気なイメージがあるが、実際は「注目されるタイプではない」「期待されていなかった」と謙虚で自信がない。素の自分に近いという今のキャラクターを確立するまでには、「みんなキラキラしやがって」と思っていた暗黒期、悩みながら制作側のオーダーに応えた若手時代を乗り越えてきた。結婚に対する考えから共演者との不仲説まで、NGなしで語った。(Yahoo! ニュース オリジナル 特集編集部)
悪口でダメージ食らったら相手の思うつぼ
「『なんでタレントがニュースやっているんだ』とか、バラエティーに出れば『こいつうるせー』とかは言われます。真摯にお仕事と向き合っているのに、なんでここまで言われなきゃいけないんだろうって思うことは、たぶん、みんなあると思います。でも私は悪口を見てもダメージはあまりないかな。ダメージを食らっていたら相手の思うつぼ。私は相手にしないのが一番だと思っています」 「Nスタ」のキャスターとしてTBSの“夕方の顔”に抜擢されてから5年近くが経つ。その傍らバラエティーでも活躍。「2020テレビ番組出演本数・女性タレント部門ランキング」では、前年に続く3位(332番組)だった。文字通りテレビで見ない日はない。 しかし当人は、「私は全然です。帯番組を持っていなくてもそこにランクインしている人、フワちゃんやみちょぱさんが一番すごいと思っています。SNSも見ますけど、私はそんなに注目されるタイプでもないし」と謙遜する。 マツコ・デラックスは、ホランとCMで共演した際に「すごいきれいですごい博識で、なのになんで自信がないの」「卑屈」とバッサリ。強気なイメージとは裏腹に、異様なほど謙虚で自信がない。
暗黒期「みんなキラキラしやがってと思っていた」
6歳でキッズモデルを始め、中学1年生で大手芸能事務所アミューズに所属した。当初は歌をやりたかったが、時代は芝居だと言われて方向転換。公立高校に通いながらテレビドラマに初出演し、青山学院大学に合格。23歳で報道番組のキャスター、25歳でバラエティーのMCも経験した。一見すると華やかな経歴だが、不遇の時期は長かった。 「仕事は年に1回あるかないかくらい。学校もずっと公立だったので、周りの子と同じように進学しました。仕事はないし時間はあるし、事務所にもそれほど期待されてなかったので(笑)。この頃は役者になりたいとは恥ずかしくて言えなかったですね」 同世代には新垣結衣、戸田恵梨香、吉高由里子らがいる。 「みんなどんどんビッグになっていくのに、自分はまだ何者でもない。大学に通えなくなるくらい忙しくなるのが夢だったので、楽しむ気にもなれなくて。だから、大学を楽しんでいる人たちを横目に見て、『みんなキラキラしやがって』みたいに思っていました。入学して2年間は暗黒期。やさぐれていましたね」 キラキラした大学生活とはほど遠く、「授業料の元を取ってやる」と講義は前の列で聴いた。それ以外の時間はバイトに費やした。 「バイトはかけ持ちで、朝はパン屋さん、授業から帰ってきてスーパーでレジ打ちとか。留学資金もバイト代で100万円くらいためました。何時間も働いて、疲れて、あの時給750円がこれになっているんだっていう尊さ。同じお金でも、自分で稼いだからこそ、留学に行っている時間の価値の重さを感じました」 転機は、1年間のアメリカ留学から帰った直後に訪れた。 「留学して演劇を勉強して帰ってきて、もがくだけもがいたけど、やっぱり才能ある子には追いつけないな、このままお芝居だけでやっていこうと思っても厳しいんじゃないかなと。そう思ったのが、2011年のドラマ『陽はまた昇る』(テレビ朝日系)に出演したときでした。お芝居も楽しいけど、自分の言葉で何かを伝えるのも楽しいなと思って、違うジャンルのオーディションを受け始めました」 すると、次第に仕事が増えていった。女優としては芽が出ず、民放キー局の試験も全て落ちたホランだが、そこから数年で人気タレントへの階段を駆け上がっていく。2019年には週刊誌に「年収2.5億円」と報じられた。 「(2.5億円は)全くのうそです。この報道が出て、『誰だ、横領してるの誰だ!?』って事務所スタッフとネタにしてたくらい、そんなに稼いでないです(笑)」 給料は、何かあったときのためにほぼ貯金しているという。余裕があるときに作っている弁当は、「映えない弁当」「一品弁当」「茶色弁当」などと呼ばれている。堅実で飾らない姿に親近感を覚えるが、今のキャラクターを確立するまでには苦しみもあった。