「バチバチするのはプロの技」「年収2.5億円はうそ」 ホラン千秋、強気なイメージに隠れた謙虚な素顔
バチバチするのは「プロの技」
「私が20代前半のころは、MCの人にかみついてくださいとか、誰々さんとけんかしてくださいとか、バラエティー番組ではそういうオーダーがありました。たとえば、年上の男性が少し意地悪なことを言って、それに対して女の子が『うるせーよ』ってあえて乱雑なことを言う、成敗されているおじさん、までで笑いが成立する。でも、別にかみつきたいわけじゃないのに、すごく小さいことを探してかみつかなきゃいけないのかなとか、うまくやらないとただ生意気に見えちゃうなとか、いつからかこのままじゃダメになるなと感じて」 どこまで制作側の意図を酌むのか。正解がわからず悩んだ。 「知名度も実力もない若手が制作側に『やりたくないです』って言ったら、ほかにいくらでもタレントさんはいるので別の人にお願いしますよね。だけども、自分が言いたくないことを言う、信念にそぐわないことをする苦しさも出てくる。それをどれくらいのみ込むのか。今なら、やらされるくらいならYouTubeとか他の場所で表現しますっていう人もいるだろうし、実力があって他の部分で笑いを作れればそんなことも言われないだろうし、やり方はいくらでもあると思うんですよ。私に限っていうと、うーん、最初のうちは司会者さんや芸人さんたちの胸を借りて、ある程度かみついてきたタイプだと思います(笑)。でも自分らしくいたほうが長く続けられるなっていうのは、だんだんと気づきました」
今のホランは、素の自分に限りなく近いという。 「もし今かみついているとしたら、それは頼まれてるのではなく独断です(笑)。時代にそぐわない発言があったときに、ただ笑ってやりすごすんじゃなくて、言い返すことで『もうそれが笑いになる時代じゃないですよね』と表現できるし、私はこれをよしとしているわけではないと意思表示もできる。番組としても空気が悪くならずに済む。でも、そもそもテレビの前のみなさんが、そういう笑いをどう見てるのかなっていうのは、正直、気になるところです」 「こんな裏側の話を全部するって、すごいね(笑)。まあ頼まれていなくても、どうしたらこの回を盛り上げられるかっていうのは、出演者みんな探りながらやっているんじゃないかな。たとえば他の出演者とバチバチするのも、不仲だからとかじゃ全然ないですよ(笑)。みんな盛り上げるために一生懸命感覚を研ぎ澄ましている、プロの技です。あとは、芸人さんのギャグに対するお決まりのリアクションも知っていないとチームプレーが成り立ちません。ここでこのフリをするとか、ここでは笑っちゃいけないとか。そういう空気の読みがすごい難しいんですよね」