スタートアップは「米がメジャーリーグ、日本は高校野球」…それでもこの状況が“ポジティブ”である理由
――情熱があれば失敗も乗り越えられる。他に必要なものは? 「人柄、まわりから愛される人物であるということ。ビジネスって結局ひとりではできないので、多くの人のサポートが必要になります。いっしょに働く仲間であったり、VCのような外部の人間であったり、みんなが応援したくなるような人柄でないと、やはりうまくいかない。 この点、日本人は有利なのではないでしょうか。単独で何かを進めるより、チームで物事に取り組むほうが得意という人が多い気がします。世界と戦っていくにはこういう性質も大きな武器になるかもしれませんね」 ――今の日本はスタートアップするための“土壌”が整ってきていると思いますか? 「失敗を恐れないという個人レベルの意識の変革と、チャレンジを応援しようという企業や社会の意識の変革がいま同時に進行しています。期待したいのは、まずスタートアップ界のスターが生まれること。世界的な成功を果たした若い経営者が現れれば、その姿を次の世代が見て、自分もああなりたいと思います。 数々の日本人メジャーリーガーのこれまでの活躍が大谷翔平を生み出したように、スターが登場することで日本のスタートアップ界が一気に活性化するはずです」 <文:川上康介 撮影:You Ishii>