「世界のソニー」による買収協議 KADOKAWA社員のホンネは…「独立性は無くなるが…」
事業への影響は懸念されないのか。 「現時点では誰にもわからないですからね。今の段階で『こういうことが懸念される』と話す人間がいれば当人の願望を話しているに過ぎません。これまでもM&Aを続けてきた会社なので今回のようなことが起こり得るとわかっている社員が大半ですよ」(同前) 一方でベテラン社員はこう話す。 「周りの社員たちはソニーの買収を喜んでいます。というのも、サイバー攻撃による個人情報漏洩が起きても記者会見すら開かない夏野体制に不満を持っている社員は一定数いる。ソニーが買収したらまず夏野社長を切るのではないかと期待しているのです」
川上量生氏や創業家・角川歴彦氏の胸中は…
取締役で4.7%、約300億円分の株を持つ川上量(のぶ)生(お)氏を直撃した。 ――買収はあり得る? 「あーそれについてはちょっと答えられないです」 ――川上さんは歓迎? 「いやー、これに関しては勘弁してください(笑)。ちゃんと発表があれば言えることもあると思うので」 つれない返答だが、株主であれば株価の高騰を喜ばないはずはない。 しかるに気になるのは創業家の胸中。東京五輪のスポンサー選定をめぐる汚職事件で東京地検特捜部に逮捕された元会長の角川歴(つぐ)彦(ひこ)氏はなにを思うか。 「角川さんは買収報道を聞いて『えー!』と驚きを見せていました。静観の構えですが、ポジティブに捉えているのでは」(同社関係者) KADOKAWAは「適時開示の内容以外にコメントすることはできません」などと回答。 ソニーグループも「初期的意向表明を行ったことは事実です。それ以上のコメントは控えさせていただけると幸いです」とした。 KADOの立たない決着を迎えそうである。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年12月5日号
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