「物価高時代の賢い節約術」食費節約の基本は安く買うことよりも“◯◯を減らす”こと?節約アドバイザーが教える食材の上手な買い方・使い方
「野菜を無駄にしない買い回り方」とは?
買い回り方で野菜を無駄にしない方法があるとは?どういうことなのでしょうか。 「スーパーに買い物に行くと、ほとんどのスーパーが入口に果物や野菜を陳列していて、奥の方に魚や肉が置いてありますよね。これは野菜や果物が店頭にあった方が見た目が華やかだから。さらにお値段が安いものが多いためお買い得感が出るためです。多くの方が、つい手前の野菜売り場から順番に買っていくと思いますが、これが無駄買いの元なんです。 食事の献立を考える際、多くの方がメインから考えると思います。今日は焼き魚にしようかなとか、豚のしょうが焼きにしようかなとか。そこから『メインが豚のしょうが焼きなら付け合わせはキャベツの千切りかな』『副菜はきんぴらごぼうにしようかな』とメインのあとに野菜のメニューは決まることが多いはず。なのに買い物の順番が、野菜からというのが順番的に間違ってるんです」(和田さん) 先に野菜売り場を見ていると、「あっ、今日はもやしが特売だから買っておこう」なんてついカゴに入れてしまい、その後お肉売り場で「豚のロース肉が安い、じゃあ豚のしょうが焼きにしよう」とメインを決定、その後「豚のしょうが焼きにはキャベツの千切りが必要だ」と野菜売り場に戻る……こんなことありますね。すると安いからとカゴに入れたもやしが結果使われずに、とりあえず野菜室に入れたまま無駄になってしまう恐れが高まります。 「まだメニューが決まっていない状態でスーパーに来たのなら、最初は野菜売り場を素通りして、肉や魚などのメイン食材の売り場を先に見ましょう。メニューが決まってから、必要な野菜を買いに戻るのが賢いですね」(和田さん)
買った野菜を無駄にしない冷蔵庫の保存方法
せっかく買った野菜も、買った量すべてを一度に使い切ることはほとんどないのではないでしょうか。和田さんはこの「使いかけの野菜」がロスにならない工夫の仕方も教えてくれました。 「使いかけの野菜は傷みやすいこともありますが、半分だけ使った野菜をビニール袋に入れたり、ラップに巻いたりして野菜室にポンと入れておくと、ついつい使うのを忘れてしまいがちです。そして気がついたら腐っていたり干からびていたりして、捨ててしまったことはありませんか? 多くの冷蔵庫の野菜室が引き出し式になっていると思いますが、引き出しを開けたところの1番目につくところに、箱を設置し、使いかけの野菜だけを入れるスペースを作っておくと良いと思います。一番目立つところに設置すれば野菜室を開ける度に必ず目が合います。『使わなきゃ!』という意識が働けば使い残しが少なくなるんです」(和田さん) 確かに、存在を忘れてしまっているから使わないのであって、だいたいの野菜はお味噌汁の具に入れるなどして使い切ることができます。 「適切に保存することも大切ですが、野菜を無駄にしないように冷凍しなきゃ……と考えると、例えばほうれん草なら①茹でて②水気を切って③ラップで巻いて➃粗熱が取れてから冷凍、とはっきり言って、面倒くさい!だからやらない方が多いと思うんですけど、ほうれん草は生のままザクザク切ってジッパーバックに入れて冷凍しても全く問題ないんです」(和田さん) 「冷凍する時はラップでしっかり空気を抜かないと霜がつくからNG」なんて聞きますが……? 「長期間冷凍するわけでなくすぐ使うなら、そこまできっちり空気を抜かなくても大丈夫です。トマトやきゅうりなど生のまま食べる野菜は水っぽくなってしまうのでお勧めできませんが、小松菜やニラ、白菜など加熱して食べるものはこの方法が可能です。ごぼうも売られているものを全部使い切るのは難しいものですが、5cmくらいの使いやすい長さに切って洗わずそのままジッパーバックに入れて冷凍します。使う時は水の入ったボウルに漬けて置けば表面だけ少し溶けるので、指でこすれば表面の泥もつるんと剥けてカンタンです。ごぼうは水分をあまり含まないので、凍らせても包丁入りやすく、ささがきや千切りもしやすくなるんですよ」(和田さん) 旬の野菜でこの「すぐ冷凍」を上手に活用すれば、もともと加工されて冷凍野菜として売られているものよりも安くなります。逆に旬ではない野菜は冷凍野菜の方が安いことも。上手に使い分けると良いですね。 上手な買い方・使い方・保存の仕方をマスターすれば食費を減らすことができるかもしれません。安いスーパーを探すより、我慢をするより、まずは食品ロスを減らす工夫から始めてみませんか?
■和田由貴さん 消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。 取材・文/松本果歩
MonoMaxWeb編集部