77歳の新人芸人・おばあちゃん「戦後2年目生まれでやりたいことをやれる時代じゃなかった。高校受験では母から信じられない一言が…」
71歳で吉本の芸人養成所であるNSC(吉本総合芸能学院)に入学。お笑い芸人となった「おばあちゃん」。77歳となった現在、芸歴5年の「新人」として月に3回、東京・神保町にあるよしもと漫才劇場の舞台に立っています。過去には乳がんや卵巣がんを患った経験もあり、NSC在学中には夫の看病や実兄の介護に追われたことも…。それでも夢を諦めず、いまや“国民的おばあちゃん”として人気に。いったい何がそのパワーの源になっているのでしょうか。これまで歩んできた道のりを振り返りつつ、いくつになっても人生を楽しみながら過ごす秘訣を伺いました。(全3回/第1回。構成◎内山靖子 撮影◎本社 奥西義和) 【写真】おばあちゃん、満面の笑顔! * * * * * * * ◆70代でも「やりたいことはやりたい」 今回のような取材をお受けする度に、「70代で、なぜ芸人を目指そうと思ったんですか?」と聞かれます。 でも、そもそも私は「70代だからやりたいことをやっちゃいけない」とはこれっぽっちも思っていなかったんですね。やりたかったから、ただやっただけ。 「その年齢ですごいですね」と、みなさんに言われる度に、ああ、そんなに珍しいことだったのかって(笑)。 38歳のときにステージ4の乳がんになって手術で左胸を摘出し、それ以来、左胸はずっとえぐれたままです。 1年後にはがんが卵巣に転移して、そのときは「治療費がかさんで主人に迷惑をかける」と、悩んだこともありました。 60代半ばには膝の骨が壊死して即手術。骨を切って壊死した部分を除き、チタンプレートを入れてボルトで固定。リハビリに2年かかりました。
◆「あれをやっておけば」と後悔したことはありません とはいえ、70歳過ぎてどこも悪くない人なんて誰もいませんよ。身体だって、70年も使えばボロボロなのがあたりまえ。 だから、「がんの手術をした」とか「膝が悪い」なんていうことは気にせずに、自分のやりたいことをやろうじゃないかと。そんなことにとらわれて何もできなくなったら、人生、楽しくないでしょう? これまでの人生で、「あれをやっておけばよかった」と後悔したことは1度もありません。 ひとつ、やりたいことをクリアしたら、またすぐ次にやりたいことを思いつくたちなので、過去を振り返っているヒマがないんですね(笑)。 先日、初めて著書を出版するときに、これまでの77年間を初めてちゃんと振り返った次第です。
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