トヨタとホンダが『アメリカGP』に…世界最高峰のF1で徐々に大きくなっている存在感
◆ 尾張正博のギョロ目でチェック 11日にハースF1とテクニカルパートナー契約を結んだトヨタガズーレーシング(TGR)。締結後初となった18~20日のアメリカGPでは早速、ハースのマシンやレーシングスーツ、ピットストップ時に使うガンツリーにTGRのロゴが入れられていた。 ロゴだけではなく、サーキットには加地雅哉TGRモータースポーツ担当部長の姿もあった。今季これまでも何度か視察に来ていたが、今回はTGRのスタッフとして正式にF1のパドックを訪問。19日のスプリントではスタート前のグリッドにも足を運んだ。トヨタのレース関係者が公式にF1のグリッドを訪れるのは、トヨタF1にとって最後のレースとなった2009年の最終戦アブダビGP以来、15年ぶりのことだった。 トヨタは昨年、マクラーレンF1と育成ドライバー契約を結び、今季は平川亮がリザーブドライバーを務めている。加地部長は「マクラーレンに関しても、いろんな取り組みの話があります。ハースとの提携に全て集約するということではないのかなと思います」と語っており、今後のマクラーレンとの交渉にも注目が集まる。 また、アメリカGPにはホンダレーシング(HRC)の渡辺康治社長も訪れていた。20日のレース前にはビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅を激励し、レッドブル昇格を後押し。「ホンダの育成プログラム出身の角田裕毅には、レッドブルでレースできるポテンシャルがあると信じています。適正に評価できるよう、できるだけ早いタイミングでレッドブルのマシンでテストしてもらえるよう、クリスチャン・ホーナー代表に会って働きかけを行いました」 26年から正式にF1に復帰するホンダと、ハースF1とパートナーを組んだトヨタ。日本を代表する2社の存在が、世界最高峰のF1で徐々に大きくなっている。 (尾張正博=F1ジャーナリスト)
中日スポーツ