TOPIX3カ月半ぶり高値、米金融株高が波及し銀行や保険に買い
(ブルームバーグ): 12日の東京株式相場は上昇し、東証株価指数(TOPIX)は約3カ月半ぶりの高水準となった。米国で新政権下での金利上昇と規制緩和への期待から金融株が買われた流れが波及し、国内でも銀行や保険株が高い。
トヨタ自動車が3.5%値上がりし、TOPIX上昇に最も寄与。指数を構成する2128銘柄のうち1569銘柄が上昇、447銘柄が下落している。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、米金融株高は景気がしっかりしていることの表れで日本にとっても悪い話ではないとし、日本の銀行株にもプラスだと指摘。ただ、国内の企業決算が市場の期待に届いていないため積極的に上値を追うほどでもないとも述べた。
半導体など電気機器の一部銘柄は下落。前日の米テクノロジー株安が響き、石破茂首相が2030年度までに人工知能(AI)・半導体分野に10兆円以上を支援すると表明した好材料を相殺した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は、石破首相の発言は目新しいわけではなく、半導体セクターに「それほど新しい期待感を生むような話ではないのではないか」との見方を示した。
米国以外では関税のリスクが意識されており、米国でリスクオンが進んでいるのと比べて「日経平均の上げは小さい」とも大西氏は指摘。「日本株は衆議院選挙以降、政局不安が夏の参院選まで続くという警戒感もある」と話した。
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Hideyuki Sano, Toshiro Hasegawa