JR東日本、交通系ICカードの苦戦認めた? 新ビューカードに「タッチ決済対応版」ついに登場、決済革新の行方どうなる?
タッチ決済が交通に革命
2024年、タッチ決済対応のクレジットカードが大きな話題となった。全国各地の公共交通でタッチ決済が導入され、決済の選択肢が大幅に増えた。 【画像】「なんとぉぉ!」これがJR東日本の「平均年収」です! 画像で見る(10枚) これにより、インバウンドだけでなく、沿線地域の住民にも大きな利便性が提供されるようになった。普段使っているクレジットカードで、そのまま電車やバスに乗れるのだ。 一方で、交通系ICカードは苦戦を強いられるようになった。地方都市の交通事業者が、高額なシステム更新費用を理由に、交通系ICカードの取り扱いを中止し、タッチ決済への切り替えを行うケースが増えている。 これにより、交通系ICカードは劣勢となり、その影響はJR東日本が発行するクレジットカードにも及んでいる。
ベーシック・シリーズにタッチ決済搭載
JR東日本の完全子会社である株式会社ビューカード(東京都品川区)。この会社が発行するクレジットカード「ビューカード」には、Suica機能が搭載されていることで知られている。 2024年11月、ビューカードの「ベーシック・シリーズ」がリニューアルされ、名称が ・「ビュー・スイカ カード」から「ビューカード スタンダード」 ・「ビューゴールドプラスカード」から「ビューカード ゴールド」 へと変更された。どちらも接触型クレカにSuica機能が内蔵されているが、実はこれが少し話題になっている。リニューアル後のビューカードのベーシック・シリーズは、接触型ICチップだけでなく、非接触型チップ(タッチ決済機能)も搭載されるようになったのだ。具体的には、 ・Suica付与カード ・タッチ決済付与カード を選べるようになった。これまでは前者一択で、クレジットカード決済は端末にカードを挿入する方式だけだったが、2024年の終盤に差し掛かる頃、ようやくタッチ決済という新しい選択肢が現れた。
表に出ないタッチ決済
ビューカード公式ウェブサイトを覗くと、非常に不自然な構成が目につく。 トップページから「カード一覧」を選択し、ビューカード スタンダードの「詳細を見る」へ進むと、下へスクロールしてもSuicaとそのポイントサービスであるJRE POINTの利便性についての説明ばかりが続く。スクロールが終わる頃、ようやくSuica付与カードとタッチ決済付与カードの2種類から選べることが記載されている。まるで、 「タッチ決済カードの存在に触れたくない」 かのようだ。 同社のプレスリリースでも同様の傾向が見られる。JCBブランドに加え、Visaブランドも選択できるようになったことは記載されているが、Suica付与カードかタッチ決済付与カードかの選択肢については一切触れられていない。 要するに、株式会社ビューカードはタッチ決済付与カードをほとんど推していないといえる。しかし、このプレスリリースは本来の役割を果たしているとはいえない。