草なぎ剛「適当が一番」 経験重ねてたどり着いた境地 「ヴィンテージになりたい」という目標も告白
■「お芝居は元気じゃないとできない」 年齢を重ねてより実感 『ミッドナイトスワン』(2020)で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)やNHK連続テレビ小説『ブギウギ』(2023~2024)などでの演技も好評を得た草なぎ。俳優としてますます注目を集めているが、自身は演じることをどのように捉えているのだろうか。 「あまり深く考えてないですが、演じるということは心も体も健康的でいることと向き合う仕事なんだなと感じています。体を使う仕事なので、元気でポジティブじゃないと現場も進まない。年を重ねてよりそう思うようになりました」 本作の山のシーンでも元気でいる大切さを実感したという。 「山のシーンは超大変でした! 行くまでに1時間ぐらい山登りをして、撮影は7分ぐらいで終わって、また1時間ぐらいかけて帰るという。元気がないと行くまでに疲れてしまう。スタッフさんもそうですが、みんな元気じゃないとできないと思うので、それがお芝居なのかなと思います」
「いかに力を抜いて楽しむか」 そのほうが満足のいく演技に
草なぎは演技についてたびたび「適当にやりました」と話すが、時間をかけて役と向き合っていた時期もあったという。 「努力したとは思っていませんが、30代とかは寝る間も惜しんで何度も何度も台本を読み、役についてすごく考えた時期もありました。若い時に思い悩んだ経験があっての今なので、ただ単に適当にやっているというわけではないのかもしれません」
数々の経験を重ねたからこそたどり着いた“適当”という境地。「今の僕としては適当が一番なんです! そのほうが自由に演じられて楽しいし、夜遅くまで台本を読んでいたら朝のパフォーマンスが落ちてしまうので」と語る。 『碁盤斬り』や『ブギウギ』、そして昨年末から今年にかけて上演された主演舞台『シラの恋文』で力を抜く大切さをより感じたという。 「白石監督にも本当によくしていただいて、リラックスした状態でお芝居できる環境の中で演じられた結果、すごく満足のいくものができました。『ブギウギ』もリラックスして向き合えて。肩の力を抜いてやったほうが、むしろ力が入る。ここぞという時にバシッといく気がします。『シラの恋文』も力をうまく抜くことでいい感じにできたなと思っていて、力を抜くことを覚えました」 今後の抱負を尋ねると、「これからも適当に生きていけたら」と笑顔で回答。「いかに力を抜いて楽しむか。力を抜きながら力を入れるというのがテーマです。力を抜いて楽しんで行こう! という気持ちです。そのほうが高く飛べる気がします。あと今年はファンミーティングも楽しんでいきたいと思います」と語ってくれた。