草なぎ剛「適当が一番」 経験重ねてたどり着いた境地 「ヴィンテージになりたい」という目標も告白
■目指すは“つよヴィンテージ”「経験を重ねてにじみ出てくるものがある」 そして、「僕は今の顔が一番好き。昔も嫌いではなかったけど、年齢を重ねて自分の顔が好きになりました」と語る草なぎ。 「ヴィンテージが好きで、デニムもギターもちょっと汚れたり枯れたりしわが入ったりしているものが大好き。若い時からなぜかそういうものが好きで、最終的に自分がヴィンテージになりたいと思っているんですけど、今回の格之進を見た時に、味が出ていい感じになっているなと手応えがあり、うれしかったです」 積み重ねた経験や生き様が顔に出るというが、草なぎもそう感じているという。 「(愛犬の)クルミちゃんと出会ったことで母性が目覚めて、清原さんのことを愛おしく思う父の気持ちが出たり。人間は一つ一つ経験を重ねて、特に失敗を重ねる中で顔ににじみ出てくるものがあるのかなと思います」 そして、「私は剛くんなので“つよヴィンテージ”を目指していければ」と笑顔で宣言。「うれしいことや悲しいこと、どちらもありますが、その時その時、自分に素直に生きることが自分の未来の顔を作っていくことなのではないかなと思います」と語った。
演じることは「心も体も健康的でいることと向き合う仕事」
本作では、セリフなしで背中だけで見せるシーンも男らしさがあふれているが、「何も考えてないですよ」と話す草なぎ。 「京都がめちゃめちゃ寒かったので、寒いなと。國村さんと2人で抱き合って、励まし合っていました(笑)。震えたらダメだから耐えて。寒さに耐える感じが男らしさとして出たのかなと思います」
また、演じた格之進について「何でこんなこと言うんだろう」とイライラすることが多かったと明かし、その怒りが役にいい影響を与えていたのではないかと考えている。 「復讐に固執せずに娘と2人で穏やかに暮らせばいいのになと。娘を苦しめるたびに格之進に腹が立って、その怒りが格之進の怒りとしていい感じに出たのかなと思います。格之進には共感できるところが少なかったが、素敵な役にしないといけないと思ったので、古き良き、譲れないという、今にはない美徳があるのではないかという思いを込めて演じました」 そして、白石監督について「とても穏やかで丁寧な方」と印象を述べる。 「なんでそんなに気が利くのかなと思うくらい、いろんなことにすぐ気づいて自分で動くんです。バイオレンスな作品を撮っている方とは思えないけど、丁寧で細やかな方だからバイオレンスをしっかり撮れるんだなと逆に思いました」 技術的にもこだわってさまざまな撮り方をしていたため、「待ち時間が多かった」と言うも、完成した映像を見て感動したという。 「まさしく1カット1カット魂を込めて映画を撮っているぞという、すごく素敵な画になっていたので、『なんで時間かかっているの?』なんて言わなくてよかったなと(笑)。時間をかけて丁寧に撮ったからこそ、素敵な画が撮れたんだなと」