差別撲滅に向けた「最初のひとり」となったユーベの若武者【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
モンキーチャント自体よりさらに重大な問題なのは…
ゴール後に両手を広げるパフォーマンスを見せ、人種差別に対抗したケーン。同じ黒人選手のスターリングやバロテッリをはじめ、欧州中から支持の声が。(C)Getty Images
限界点を突破して久しいイタリアの人種差別問題が、新たな局面を迎えている。ユベントスFWの取った行動に支持が殺到。今後は試合が中断・延期される可能性もある。いま求められるのは勇気ある「最初のひとり」だ。(文:マウリツィオ・クロゼッティ・訳:片野道郎 2019年4月18日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリア・サッカー界でまたもや恥ずべき人種差別事件が勃発した。 4月2日のカリアリ対ユベントス戦(セリエA30節)。サルデーニャ・アレーナに詰め掛けたカリアリのサポーターは、試合中盤あたりからユーベの黒人FWモイゼ・ケーンに差別的な心無い野次を浴びせる。そして85分にゴールを決めたこの19歳が、ホーム側のゴール裏に向かって両手を広げて自分を誇示するようなポーズを取るや、一部からさらに露骨なモンキーチ
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