便利だけど弊害だらけの「子どもにスマホ」各家庭ではなく、社会全体で対策を考えなくては!
各家庭の範疇ではない、社会全体で取り組まないと
これらのムーブメントの影響で、今年に入り多くのイギリス国内の中学校でスマホの持ち込み禁止のルールが設けられました。すごい速さで変化していっている! それだけ不安視をしていた大人たちが多かったってこと? さらに、「そもそも16歳以下にはスマホの販売を禁止しよう」と訴えている保護者たちもいます。2000人以上のイギリスの保護者を対象とした調査(※3)では、6割近くが「政府が16歳以下へスマホ禁止のルールを設けるべき」と答えたそう。といっても、「さすがに禁止はやりすぎでは?」「やみくもに禁止をするのではなく、向き合い方についてもっと議論しよう」などといった賛否両論の声があがり、このルールの実現は今のところ現実的ではなさそうです。 ※3 参考:https://www.theguardian.com/technology/2024/apr/10/uk-ministers-considering-banning-sale-of-smartphones-to-under-16s また、共働きやシングル家庭、経済的に余裕がないなど、保護者が子どもとの時間を取りづらい環境では、なおさら脱スマホ・脱タブレットは難しいはずだし、そういった家庭を責めるべきでは絶対にないとも思うのです。子どものスクリーンタイムを減らしたいと思っていても上手くいかなくて苦戦している家庭はとても多いし。(我が家もコロナで保育園が休園になった時はとくにお世話になった!) だからこそ、各家庭、各保護者がそれぞれの自己責任でどうにかするのではなく、地域社会や政府やテック企業の規制など、大きな枠組みで取り組んでいく必要のある問題だよなと思うです。 もちろん、登下校の安全に役立ったり、インターネットやSNSを通じてこれまで可視化されづらかった社会的弱者の声に光が当たりやすくなったり、出会えなかった者同士が連帯できるなどのプラスの側面もたくさんあります。そんな貴重なテクノロジーだからこそみんなが安心して使用できるよう、正しい規制を強化していってほしいな。 とりあえず、ここ最近のわたしは寝室にスマホを持ち込んでいない! それだけで朝の目覚めが幾分かスッキリする気がします。まずは小さな一歩として続けていきたい!イラスト・文/クラーク志織 編集/大森奈奈
クラーク 志織(イラストレーター)