ヤングケアラーや虐待に悩む子ども…「手紙に書いて相談を」 大分市が「こころ勇気レター」を学校に配り対応へ
大分市は、大人に代わり日常的に家族の介護や家事を担う「ヤングケアラー」や虐待などの問題に対応するため、子どもたちに困り事を書いて投函(とうかん)してもらう「こころ勇気レター」を作製した。子ども家庭支援センターの職員らが手紙の内容に応じた対応を検討、子どもと面談し、問題の解決につなげる。 こころ勇気レター(A4判)は小学生向けと中高生向けの2種類。▽家の人から性的なことをされる▽アルコールなどの問題や精神疾患を抱える家族に対応している―など虐待やヤングケアラーの具体例10個をイラストを交えて紹介。用紙下部を切り離すと封筒と便箋が一体となっており、氏名や学校名、悩みを伝えることができる。送料は市が負担する。
手紙は中央子ども家庭支援センターが受け取り、電話やメールで連絡を取ったり職員らが学校で会ったりする。ケースに応じては保護者面談や学校による見守り、児童相談所との連携などで解決策を探る。 約5万5千部を来月から市内の小中・義務教育学校、高校など計128校に配布する。市子育て支援課は「家庭内の問題は表面化しにくく、本人に自覚がない場合もある。子どもが相談できるきっかけにしたい」と話している。