【お前クラウン…なのか?】クラウンセダン新型VS旧型…どっちがお買い得? 価格・性能大公開!
ボディサイズが大幅拡大された30系クラウンセダン
▽車両サイズ、室内空間比較 ボディサイズやホイールベース、室内寸法は以下の通りだ。 ◇ ◇ 【220系クラウンセダン】 全長×全幅×全高:4,910mm×1,800mm×1,455mm ホイールベース:2,920mm 室内長×室内幅×室内高:1,955mm×1,500mm×1,185mm 【30系クラウンセダン】 全長×全幅×全高:5,030mm×1,890mm×1,475mm ホイールベース:3,000mm 室内長×室内幅×室内高:1,970mm×1,595mm×1,135mm ◇ ◇ 30系クラウンセダンは、220系に比べ、完全に1クラス上のボディサイズとなっている(全長+120mm、全幅+90mm、ホイールベース+80mm)。室内スペースは格段に広くなり、特に後席足元の広さは大差が付いた。30系クラウンセダンは、ショーファーカーとして十分に使える広さを確保している。
後席の快適性は30系クラウンセダンの圧勝!
▽内装比較 220系クラウンセダンでは本革シートが標準装備と、贅沢な仕様となっている(RSアドバンス、Gエクスクルーシブ、G系)。Gエクスクルーシブは、ショーファーカーとしても使えるように、リヤシートにパワーシートが標準装備された。 30系クラウンセダンの内装装備は、贅を尽くしている。 ・プレミアムナッパ本革シート表皮 ・除電スタビライジングプラスシート(運転席) ・シートベンチレーション(運転席・助手席・後左右席) ・リフレッシュシート(後左右席) ・リヤパワーシート ショーファーカーとしての価値も高く、リヤシートの装備が充実しており、快適に過ごせる。
ディスプレイにこだわった220系
▽インパネデザイン 220系クラウンセダンのインパネデザインは、ドアノブ付近まで回り込んでおり、包み込まれるような感覚だ。新開発のダブルディスプレイは、遠方配置の8インチディスプレイと、操作性を考慮し手前側に配置した7インチディスプレイの2つを連携させた。タッチパネル式なのだが、アイコンがやや小さいため押しにくい。階層が深くなる機能もあり、使い勝手は少々微妙だ。 30系クラウンセダンは、他のクラウンセダンと同じ、水平基調のスッキリとしたデザインだ。シフトノブ周りに異なるデザインを与え、セダンらしさをアピールしている。 全64色に色替え対応可能なLED照明は、インパネ左右や前席足元、リヤドアトリム左右に配置された。行燈のような柔らかい灯りによる間接光で、心地よさを提供している。 ▽メーターパネル 220系セダンのメーターパネルは、当時定番の2眼オプティトロンメーターだ。視認性は良好だが、グラフィックなどにやや古さを感じる。カラーヘッドアップディスプレイは一部グレードに標準装備されている。 30系クラウンセダンのメーターパネルは、12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイとなった。フルデジタルで、4つのデザインテイストと、3つの情報レイアウトの計12タイプから好みの表示形式を選択できる。視認性や鮮やかさ、情報の豊富さは、220系を大きく上回る。 ▽燃費、走行性能比較 220系クラウンセダンと30系では、まったく異なるパワーユニットとなっている。直接比較できないので、短評とした。 ▽220系クラウンセダンの走行性能 220系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通り。 【2.5Lハイブリッド】 ・システム出力:226ps ・燃費(FR):20.0km/L 220系クラウンセダンで最も人気があったパワーユニットだ。力強さは十分で、燃費もよくバランスがとれている。 【3.5Lマルチステージハイブリッド】 ・システム出力:359ps ・燃費(FR):16.0km/L パワフルなシステム出力が魅力だ。G系グレードを選ぶと、高級セダンらしい、余裕ある走りが可能になる。さらに、10段変速により、走りに優れたレスポンスとダイレクト感が生まれた。スポーティなRS系グレードだと、気持ちの良い走りが楽しめる。ただし、新車価格が700万円を超える高価なグレードに設定されていたため、販売台数は伸びなかった。 【2.0Lターボ】 ・最高出力:245ps ・最大トルク:350Nm ・燃費(FR):12.4km/L わずか1,650回転で最大トルク350Nmを発揮する、いわゆるダウンサイジングターボエンジンだ。街中では、とくに力強く走る印象が強い。ただし、高回転域ではパンチにやや欠け、スポーティな印象には欠ける。2.5Lハイブリッドより、やや力強い印象だ。使用燃料がハイオクで燃費が良いわけでは無いので、燃料費は高めになる。 220系には、RS系とG系の2つのグレードが存在する。RS系は従来のアスリートで、スポーティな仕様で、G系は乗り心地重視のロイヤル系だ。人気はスポーティなRS系が勝っていた。 RSアドバンスとG系には、AVSが標準装備されている。サスペンションの減衰力を走行状況に合わせ可変されるものだ。AVSにはドライブモードが設定されており、7つのモードから設定が可能だ(SPORT S+/SPORT S/NORMAL/COMFORT/ECO/CUSTOM/SNOW)。 RS系でSPORTモードを選択すると、サスペンションがグッと引き締まり、よりスポーティな走りが楽しめる。SPORTモードでも、乗り心地はそれほど悪くならないのもよい。 ▽30系クラウンセダンの走行性能 対する30系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通りだ。 【2.5Lマルチステージハイブリッド】 ・システム出力:245ps ・燃費:18.0km/L 30系クラウンセダンは、新開発の2.5Lマルチステージハイブリッドをトヨタ車で初搭載した。従来のハイブリッドシステムに加え、4段の変速機が加わった。駆動力が向上し、低車速からの最大パワー使用が可能になったため、より力強い走りが可能になった。 また、変速機が加わったことで、模擬10段変速制御となった。リズミカルな変速やドライバーの意図に忠実なエンジン回転数変化と加速感が可能となり、より走りが楽しめるハイブリッドシステムとなっている。 【FCEV】 ・モーター最高出力:182ps ・モーター最大トルク:300Nm ・燃費:148km/kg ・一充填走行距離(参考値):約820km すでに発売されているFCEVであるトヨタ ミライと同じパワーユニットを使っている。最高出力こそ182psと少々アンダーパワー気味に見えるものの、最大トルクは300Nmもある。モーターは、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮するので、数値以上に力強く感じる。一充填走行距離は約820kmと十分だが、まだまだ水素ステーションが少ない点が難点だ。 30系と220系は、同じGA-Lプラットフォームを使用している。しかし、ボディサイズが大きく異なるため、走行フィールも違う。車名は同じでも、全く違うクルマだと理解した方がよいだろう。 また、220系クラウンセダンは、スポーティセダンを目指しているが、30系はショーファーカーを視野に入れているため、乗り味も異なる。220系は、ややカッチリしたフットワークをもつが、30系はしっとりとした乗り心地重視のセッティングになっている。街中でのぼり心地は、ややフワフワしているが、高速道路のカーブではフラットな姿勢を維持して、意外なほどスポーティな走りを披露する。これは、AVSという可変式減衰力調整機能付きダンパーによるものだ。走行シーンに合わせた最適な乗り心地と走りを実現している。30系クラウンセダンの走りは、このAVSが支えているようにも感じるほどだ。