子どもが集中力を発揮するために「脳のくせ」を利用しよう。集中力を身につける3つのステップ【専門家】
さらに高度な集中力を身につけるための3つのステップ
「1つ目の集中力だけで何事もできればベストでしょうが、現実問題、それだけでは難しい場合は2つ目の集中力『やるべきこと』に対する集中力が必要となります。 身につけるべきスキルに分解して、説明しましょう。 ステップ1 外的刺激を排除する 学習の環境を整えるために、外的刺激を排除することが最初のポイントです。スマホの通知、TV、漫画などを可能な限り見えない・聞こえない環境をつくりましょう。 教材が変わるごとに机上を整理するのも重要です。親も一緒に読書などに取り組むと、よい環境が作りやすいと思います。 ステップ2 作業興奮を利用する 2つ目は学習の開始に関わるものです。人は何かしらの行動をすると、脳内の側坐核と呼ばれる部分が刺激され、やる気が喚起されます。学習開始時にはこの性質を用い、もっとも取り組みやすい課題から始めて、やる気を維持させましょう。 100ます計算などのように、手を動かすものが効果的です。他にも『1分間でカタカナの言葉を何個書けるか』『赤いものを可能な限り早く20個書き出す』などもいいでしょう。 親子で競争するのもおすすめです。意外と親も燃えますよ。 ステップ3 先に言い訳を考え、対策をする 最後に、集中できない要因をあらかじめ取り除きます。『先に言い訳』を考えるのです。学習開始時に、『もし途中で勉強を中断させたくなるとしたら、どんなことが考えられる? 』と聞いてみましょう。『トイレに行きたくなりそう』『喉が乾くかもしれない』『筆箱の整理をするかも』などと先に考え、事前に適切な対応ができるように促します。 一見普通の問いですが、考えを引き出す効果は抜群です。 (試しに、『明日の予定が狂うとしたら、どんなことが考えられるだろう? 』と自問してみてください) いかがだったでしょうか。2つの集中力をうまく活用しながら、『やりたいこと』『やるべきこと』のどちらでも集中できるように、日々の学習でトレーニングを積んでいきましょう」 大人の生活でも使えそうなワザですね。ゲーム要素を取り入れたり、脳のくせを利用したり、環境を整えたり。自分の意志だけで続けるのが難しいときに、背中をひと押ししてくれそうです。 (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
八尾直輝さん
PROFILE) 勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を創業、現在は取締役・塾長として、会社の経営、塾の運営全般に関わっている。共著に『小学生から自学力がつく!』(すばる舎)や『子どものやる気を引き出すゲーミフィケーション勉強法』(講談社)がある。 ※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。 ※記事の内容は2022年9月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部