点灯中は「ハイビーム」が基本、点灯の目安は「日没30分前」…車の“ヘッドライト”の正しい使い方を専門家が解説
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回の放送テーマは「そのヘッドライトの使い方、危険です」。モータージャーナリストの鈴木ケンイチさんから、車のヘッドライト(前照灯)の正しい使い方について伺いました。
◆ヘッドライトを点ける適切なタイミングは?
冬になり、日没時間が早まってきました。この時期は特にヘッドライトの使い方で事故の危険が高まる可能性があります。 ヘッドライトを点灯する目安は“日没30分前”が推奨されています。冬場は午後3時台になる時期もあり、ドライバーからすると“まだ明るい時間だから必要ない”と思うかもしれませんが、ヘッドライトはドライバーが視界を確保するためだけではなく、「自分が運転する車の存在を周りに知らせて、交通事故を防ぐ役割があります」と鈴木さんは説明します。 交通事故が多い時間帯は日没時です。令和元年~5年の警察庁による統計でも、午後5時~午後7時は他の時間帯よりも抜きん出て“死亡事故が多い”というデータがあります。交通事故を未然に防ぐため、早めのヘッドライト点灯を心がけてください。 2020年以降の新車には、夕方になるとヘッドライトが自動点灯するオートライト機能があります。点灯時間はメーカーによって違うため“点くのが遅い”と感じたら自分で点灯させるようにしてください。また、日中でも天候が悪いときには、積極的にヘッドライトを利用しましょう。
◆ロービームとハイビームを上手に使い分けよう
2017年3月の道路交通法改正で、夜間走行時のヘッドライトは原則ハイビームが基本となり、対向車が来たときや先行車がいる場合はロービームに切り替えることが明文化されました。“ハイビームが基本”という点に対して“車が少なく、街灯がない頃の名残りだから現代には適さない”という声もありますが、適切に切り替えれば、ルールを守りつつ安全確保にもつながります。 ですので、対向車がいないとき、周りに車がないとき、郊外や交通量が少ない夜の高速道路を走るときはハイビームを推奨します。周囲の状況に合わせて上手に使い分けましょう。 また、鈴木さんは「ヘッドライトは“光軸(照らす角度と高さ)”が重要です。後ろに人を乗せたり、大きな荷物を載せると、光軸がずれて光が上向きになる場合があります。もしくは、そもそも光軸の調整が不備で上向きになっている車もあります」と言及します。