《ブラジル》デカセギ 「帰りたくても帰れない」 在日日系社会の頭痛の種に
日本にいた頃、「ブラジルに帰ったら何をしたらいんだろう」という相談をよく受けた。日本にいる間に、ブラジルの親は亡くなり、家もなく土地もなくなって、帰る場所がないという人を多く見てきた。今も相談されることがある。 日本にいる時と同じ給料を求め、仕事が見つからない人も多い。 「ブラジルに帰れないデカセギ者が今後さらに増加し、日本の日系社会の深刻な問題になるだろう」と話した。 バストスでは、デカセギから帰ってきて事業を始めた人は少なかったという。事業を始めてもうまくいく人は一握りだった。 デカセギ帰りの人は「自分はお金を持っている」との感覚が強く、どんどんお金使ってしまって金欠になり、またすぐデカセギに行くことを繰り返す人も多いという。 現在もバストスから日本へデカセギに行く人は絶えず、ここ数年、日本から帰ってきたという人の話は聞かない。日本に行った人はそのまま定住しているのだろう。 中西さんは「僕はデカセギの良いところも悪いところも日本で沢山見てきた。デカセギに行くべきか相談されると悪い部分ばかり話しちゃうけど、もし行くなら、当初の目的意識が変化しやすくなる3年が経つ前に、貯まったお金を持って伯国に帰ってくるのがいい」と語った。