大変そうな仕事を後回しにせずにサクサク進めるには?スタートダッシュにつながる「4分ルーティン」
生成AIやデジタル機能の進化、ペーパーレスによって仕事にかける労力は軽減されるはずなのに、なぜかタスクが終わらない……。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは、多いのではないでしょうか。トヨタグループのデンソーで徹底的に仕事の「ムダ」を減らし、「成果」を最大化する仕事術を学んだ森琢也氏によるカイゼン術の4回目。 【ポイントまとめ】心理的に「未完了」な状態を作り出す方法。キリのいいところで終わらせると、その後、再び着手した時に駆動時間がかかってしまうこともある。そうならないために、あえて心理的に「未完了」な状態を作り出すのも手 ※本記事は『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(森琢也著、青春出版社)の一部を抜粋・再編集したものです (森琢也:株式会社クック・ビジネスラボ代表取締役、中小企業診断士) ■ 気が重い仕事でスタートダッシュを決める「4分ルーティン」 職場の会議で発表する資料をつくらなければいけないのに、大仕事だと思うとつい後回しになってしまうことはありませんか? 発表2日前から慌てて取りかかり、残業までしてなんとか間に合わせた、そんな経験をした方は少なくないでしょう。 「自分は追い込まれないとやらないタイプだから」などと言いながら、いつもギリギリでは、周囲から「あいつに任せて大丈夫か?」と思われ、知らず知らずのうちに評価を下げてしまうかもしれません。 大きな仕事を目の前にすると着手が遅くなる人ほど「めちゃくちゃ大変そうで嫌だなー」と、その仕事が終わるまでの面倒や手間を考えがちです。着手する前段階で、不安と憂鬱な気分ばかりを抱え、気が重くなり、なかなか取りかかれず着手がますます遅くなるという負のループに陥ってしまいます。 不安や憂鬱で立ち止まってあれこれ悩むだけの時間は、やはりムダでもったいないものです。 そんな時はどうしたらいいのでしょうか。気の重い仕事にもさっと取り組めるようにするための2つのステップを説明します。
■ 「4分間頑張れば、やる気スイッチがオンになる」 ■STEP1 「終わるまでの面倒や手間」ばかり考えない 最初のステップは、「終わるまでの面倒」ばかり考えるのをやめることです。 気が重くなるような大きな仕事に直面した時、着手が早い人は「初速をつけるまでの時間」を気にします。気の重くなる大きな仕事ほど初速が重要です。「いかにスタートダッシュを決めるか」が仕事の成否を分けるともいえます。 それでは、「初速をつけるまでの時間」を短くするにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、「最初の4分間」にあります。 アメリカの心理学者であるレナード・ズーニンが提唱した「ズーニンの法則(初動4分の法則)」をご存じでしょうか。わかりやすく説明すると、仕事や勉強、スポーツなど何かに取り組む時に最初の4分間を頑張ると、その後も継続して取り組めるようになるというものです。 4分間だけ頑張り続ければ、やる気スイッチがオンになるということ。初速をつけるには、最初の4分間を頑張ることを意識してみましょう。