大変そうな仕事を後回しにせずにサクサク進めるには?スタートダッシュにつながる「4分ルーティン」
■ 作業を一気に終わらせようとしない ■STEP2 「すぐにでき」「2分程度で終わる」アクションを2つ考える それでは、この4分の間にどんなことをすればいいのか。人間の脳は大きな変化を嫌うとされているので、いきなり大きなアクションを起こすのは難しいという側面があります。 そこで、4分を「すぐに取り組めて2分で終わる」2つの「小さなアクション」に分け、そこからスタートすることをおススメします。 冒頭に説明した、会議で自分が発表する資料の作成であれば、最初の2分で「パワーポイントを開いて、表紙に仮のタイトルと日付だけを記入する」、次の2分で「資料の構成(目次)だけを、別紙に書き出してみる」「発表で伝えたいメッセージを3つ挙げてみる」といった作業です。 これだけなら気が重くなることもなく、スムーズに着手できるはずです。 STEP1とSTEP2に取り組む時には、作業全体を一気に終わらせようと考えないことも大切です。作業量の多さに気が重くなって、取りかかろうという意欲が下がってしまうからです。 まずは2分×2アクションで合計4分を頑張りましょう。ズーニンの法則通り、4分で1アクションでもいいのですが、2分で終わる内容のほうがより簡単で着手しやすく、しかも作業が2ステップ進むわけですから、達成感も2倍感じられます。 この2つのアクションを確定させてルーティン化すると、初速をつけるのにより効果的です。
■ 「キリのいいところまで……」の落とし穴 ここまで、ネガティブな感情スイッチがオンになって仕事に着手できないときや、気が重くなるような仕事でつい着手が後回しになってしまうときに、ぜひ試していただきたい工夫を説明しました。 次に、順調に仕事がはかどっているときの「落とし穴」について考えてみましょう。 みなさんは、仕事に集中できている時に、どんなことを考えるでしょうか。「いまの流れを止めたくない」「キリのいいところまでは、この調子でやってしまおう」と思う人は多いでしょう。休憩を取るのも「キリのいいところまで終わらせてから」と考えるのが当たり前ともいえます。 たしかに、ひと区切りついたところで休憩を入れたほうが、気分的にも落ち着いて休めるし、仕事の効率も上がるはずと思えます。しかし、ここに意外な「落とし穴」があります。 実は、「キリのいいところまでやった」というスッキリ感が、心理的な完了状態を生み出してしまい、再スタートを鈍らせてしまう可能性があるのです。 みなさんの中にも、キリのいいところで休憩を取ったら休憩が思いがけず長引いてしまい、仕事の再スタートが遅れ、しかも再スタートしてからもなかなか調子が上がらないという経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。 休憩前に作業をいったん完了してしまったことで、また仕事に戻ろうとする(再スタートする)のに、時間がかかっているのです。 ここでは、休憩後、速やかに再スタートするための具体的なステップと方法を紹介します。意図的に、心理的「未完了」状態をつくり出すことがポイントです。