なぜ年を取ると「しょうゆをドバドバ」かけるのか
そんなことが続くと、知らないうちに糖質・脂質・塩分の摂取量が過剰になってしまって、血圧や血糖値が高くなったり、おなか周りに脂肪がついたりするのです。 肥満(内臓脂肪型肥満)に高血圧や高血糖、脂質異常症が加わるとメタボリックドミノ(生活習慣の乱れがスタートとなり、内臓の周りに脂肪がたっぷりとついてしまう「内臓脂肪蓄積型肥満」になることで、食後高血糖や高血圧、脂質異常症が起こりやすくなること)が起こって、腎臓病のリスクが高まります。
■「メタボドミノ」で加速する腎機能の低下 社会が便利になって、医学も進歩したことで、日本では高齢化も進みました。年齢を重ねるほどに腎臓の機能が少しずつ低下していくのは、自然な現象なのですが、メタボリックドミノはそのスピードをグンと上げてしまうのです。 腎臓が自力で体のゴミ(老廃物)を排泄できなくなると、医療機器でゴミを取り除く人工透析などが必要になります。その患者数は、増加の一途をたどっています(下のグラフ参照)。
ただ、どうか慌てないでください。慢性腎臓病イコール人工透析ではありません。あくまでも、かなり悪化した場合に人工透析が導入されるのであって、慢性腎臓病の患者さんの中でも2.2%程度だからです。 自分の腎臓に働いてもらいながら、これからの長い人生を楽しく過ごすために、腎臓への負担を取り除いて、機能低下のスピードをリセットさせましょう。 ■年を取ると「しょうゆドバドバ」をやってしまう 「塩分をとり過ぎると、血圧が上がる」。みなさんは、きっと耳にタコができるほど、このフレーズを聞いていますよね。
腎臓は血管の塊であるので、高血圧になると負荷がかかってきます。そのため、血圧を上げないようにすることが重要になってきます。ただ、「では、どうして塩分で血圧が上がるのでしょうか?」と尋ねられると、よくわからない人のほうが多いのではないでしょうか。 ここからは、塩分と血圧との関係について説明します。 私たちの体内にある水分、つまり体液には、ミネラルなどさまざまな物質が溶けています。物質が溶けている濃度が一定に保たれることで、全身の細胞がきちんと働けるようになっているのです。