なぜ年を取ると「しょうゆをドバドバ」かけるのか
心不全患者の71.2%が慢性腎臓病(CKD)を合併しているというデータも報告されています。そう考えると、国際腎臓学会が発表している数字よりもはるかに患者数が多い可能性もあるでしょう。 下のグラフを見てもわかるとおり、近年、腎不全は日本人の死因の1.9%にしかすぎません。しかし、心疾患や脳血管疾患の陰に隠れているのが腎臓病であることも考えられるので、腎臓病が原因で亡くなる方の割合はデータ以上であることも考えられます。
※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください ■「便利な社会」が招いた腎臓病患者の増加 それにしても、どうして腎臓病の患者さんの数はここまで増えてしまったのでしょうか。「こんなに社会が便利になって、医学も進歩しているのに」と、不思議に思いますよね。 じつは、「便利な社会」に落とし穴があるのです。 日本には、24時間営業のコンビニエンスストアが各地にあります。そして、長期間保存ができるカップラーメンやソーセージ、菓子パンなどの加工食品が、棚に並んでいます。
すでに加工が済んでいて料理の手間が省けるので、気軽に手を伸ばしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、加工食品には、保存性を高めたり、色・香り・味を調整したりするために、食品添加物が入っています。 代表的な食品添加物が、無機リンです。無機リンには、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素アンモニウム、ピロリン酸四カリウム、リン酸二水素カリウムなど、20種類以上もあります。
そして使われる目的も、水と油を混ぜ合わせる、お菓子をふっくらと膨らませてやわらかさと弾力性をもたせるというようにさまざまです。 ですから、「気がついたら、大量に無機リンを摂取していた!」ということも珍しくありません。 それから、食べ物がいつでも、どこでも、すぐに手に入る環境にいると、「おなかが空いていないけど、食べちゃおうかな」「新製品が出たから、試してみよう」というように、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。