【全日本大学駅伝】「爆発力はナンバーワン」「能登復興のために……」監督への事前アンケートから、各チームの目標をひもとく
関西勢は「打倒関東」 国公立大同士の戦いにも注目
「ゴールまでタスキをつなげること」を目標にするのは、札幌学院大学。鹿内万敬監督は「4年生が主体のチーム。そこに各学年厚みを増し、調子を上げてきている。夏場の走り込みを通じて、安定感が増してきている」といい、伊勢路で力を出し切りたい。 2大会ぶりの出場となる東北大学は目標を「何度走っても更新できなかった36回大会の部記録(5時間41分20秒)の更新、他の国公立大学に勝利すること」に据えた。東北地区選考会での東北学院大学との熱戦が、部員全体に深い感動をもたらしているといい、向田祐翔(4年、日大東北)を中心に、ほかの国立大3校との戦いにも注目だ。 北信越地区選考会で2位の信州大学をわずか「1秒5」差で上回り、本戦出場を決めた新潟大学の目標は「北信越地区増枠」だ。前回大会で出走した8人全員が登録されているのが強み。前回、前々回はともに24位にとどまったが、10000m北信越記録保持者のエース・中戸元貴(3年、黒沢尻北)を軸に今大会では浮上を狙う。 2大会ぶり7回目の出場となる皇學館大学。今季好調の岩島昇汰(4年、益田清風)、曽越大成(4年、木本)、毛利昂太(4年、神港学園)を中心にしたチーム編成で18位以内に入り「東海地区増枠」を狙う。 「関東圏の大学1校以上に勝つこと」を目標にするのは関西大学。吉田有輝監督はチームの特徴を「スポーツ推薦による入部者が27名中9名と非常に少ないが、一般受験等で入学した選手も含めてチーム全体が力をつけることで、全日本大学駅伝への出場権を獲得した」と話し、「打倒関東(DATOKAN)」を掲げ、強豪の関東勢に挑む。 大阪経済大学は「地方勢トップ&関東の一角を崩す」ことが目標。今年は11人の選手が、関東の大学や実業団の強豪チームで練習を積み、それぞれが新たな経験を持ち帰ったという。青木基泰監督は特にエースの新博貴(3年、西宮北)の走りに期待する。 「最低でも関西出場枠の4枠を維持する。1つでも上の集団でレースすること」が目標の立命館大学。関西地区選考会では5位のチームにわずか5秒84という薄氷の差の4位で食い込んだ。山菅善樹監督はチームを「順調に下級生が力をつけてきており、例年以上に学年間のバランスが取れている」と評価しており、伊勢路での躍動を誓う。 全日本大学駅伝初出場となった岡山大学。青山学院大学から編入で岡山大に入学・入部した石鍋颯一(4年、鎌倉学園)が「関東の名門校で培った知識と実力で新しい風を吹かせている」。スポーツ推薦等がない中で、自分たちで考え課題を解決できるところが長所だという。目標は「国公立大最上位」だ。 2大会連続の出場となる鹿児島大学。昨年に39大会ぶりの全日本大学駅伝出場を決めたことで、OBらからの支援体制が強化され、現役選手へのサポートがより手厚くなった。「九州地区増枠と国公立大1位」を目指して、伊勢路を駆ける。 全日本大学駅伝では、毎年成績に応じて翌年大会の地域に割り当てられる枠の数が変動する。各8地区の基本枠は1ずつ。現在はシード枠として1~8位の大学が自動的に次回大会の出場権を得て、9位~17位の大学の所属地区に成績枠計9を配分する。各地区の出場枠は最大で15とするルールになっている。上位は関東勢が占めることが予想され、関東勢以外は少しでも地方枠を増やすために上位を狙っていく。 ■目標その他(前回順位/今大会出場) 札幌学院大学 22位/7大会連続31回目 東北大学 -位/2大会ぶり17回目 新潟大学 24位/3大会連続15回目 皇學館大学 -位/2大会ぶり7回目 関西大学 18位/2大会連続14回目 大阪経済大学 16位/4大会連続26回目 立命館大学 20位/24大会連続36回目 岡山大学 -位/初出場 鹿児島大学 21位/2大会連続10回目
4years.編集部