【全日本大学駅伝】「爆発力はナンバーワン」「能登復興のために……」監督への事前アンケートから、各チームの目標をひもとく
シード権争いも激しい争いに
シード圏内の順位を目標にしたのは、城西大学、大東文化大学、東京国際大学、東海大学、東洋大学、日本体育大学、立教大学、帝京大学、神奈川大学、そして関東以外からで唯一、京都産業大学。 城西大学はシード権内だけでなく「昨年のチーム(5位)を超える成績」が目標だ。櫛部静二監督は「『もっと早く、もっと強く、もっと楽しく』をスローガンとして掲げていることから、とても明るく雰囲気の良いチームである」と話す。主力となるのは10000m27分台の自己ベストを持つ斎藤将也(3年、敦賀気比)、出雲駅伝で3区を走り7人抜きの快走を見せたヴィクター・キムタイ(3年、マウ)、主将として「日ごろから競技への取り組みや競技会の成績によって、チームをけん引し、チームメイトからも一目置かれている」と評価される平林樹(4年、拓大一)。出雲駅伝は目標に届かず7位だったが、全日本大学駅伝では修正できるか。 前回大会は選考会からの出場ながら本戦7位とシード権を獲得した大東文化大学。チームのエース、西川千青(4年、九州国際大付)を中心に、「選手として、人としても成長した3年目。長い距離への適正は抜群」だという入濵輝大(3年、瓊浦)や1年生ながら出雲駅伝2区区間3位で「将来楽しみな選手」と目される大濱逞真(1年、仙台育英)らが名を連ねる。 東京国際大学の横溝三郎監督は「必ずシード権を獲得する」と意気込む。期待しているのは「全選手」としながらも、特に「3年ぶりに自己記録を更新した中山拓真(3年、青森山田)や1年生で(10000m)29分00秒をマークした小柴裕士郎(1年、水城)に勢いがある」と回答した。 前回大会9位でシード権を落とした東海大学。駅伝主将の梶谷優斗(4年、滋賀学園)や「チームの絶対的エース」花岡寿哉(3年、上田西)らがエントリー。箱根予選会ではアクシデントにも見舞われ14位と本選出場を逃した。1カ月を開けずしてのレースにはなるが、今年こそシード権を獲得し、次につなげたい。 全日本大学駅伝関東地区選考会では1~3組で組トップを取った東洋大学。酒井俊幸監督は「4年生の安定感と1年生の突き上げ、3年生の主力選手としての自覚が出てきたことが特徴」と話す。主将の梅崎蓮(4年、宇和島東)ら4年生が夏合宿で故障・体調不良と満足に練習を積めなかったが、3年生に自覚が芽生えて成長したという。「例年行っている能登合宿が震災の影響で行えなかった。復興のために一役を担いたい」と意気込みを語った。 3大会ぶりに本戦に出場する日本体育大学。主将の分須尊紀(4年、東農大二)を中心に、チームエントリー16人中9人が4年生。関東インカレ1部1500m、日本インカレ1500mともに優勝の世代屈指の力を持つ中距離ランナー・高村比呂飛(4年、敦賀気比)もエントリー。出走に期待がかかる。 髙林祐介監督就任後初の駅伝、そして大学としても初の出場となる立教大学。関東インカレ2部ハーフマラソンでは、稲塚大祐(4年、高岡向陵)が箱根駅伝強豪校と肩を並べる5位入賞と前半シーズンから成績を出してきた。主将の安藤圭佑(4年、豊川)や副将の林虎大朗(4年、大牟田)、エース格の馬場賢人(3年、大牟田)を中心に、シード権獲得も夢ではない顔ぶれとなっている。 帝京大学の中野孝行監督は練習方針を「できないことを嘆いても仕方がないのでやれること、できることを重視したのと、ネガティブ思考を排除し、常にポジティブな考えを優先した。勝つことの大切さを重視した」という。エースで主将の山中博生(4年、草津東)のほか、中野監督が「この夏大きく飛躍した」と期待する廣田陸(2年、北海道栄)と「何かよくわかりません」という意味深なコメントがあった原悠太(2年、大阪)の2人にも注目したい。 2大会ぶりに本戦出場を決めた神奈川大学。今年監督に就任した中野剛監督は「出るからにはシード権を狙いたい」と話す。「エース。他大学と渡り合える、うちでは唯一無二の選手」と絶賛する宮本陽叶(3年、洛南)を中心に入賞ラインを狙う。 関西勢から唯一「シード権獲得」を目標に挙げたのは京都産業大学。出雲駅伝でも関東勢を除く中で最上位の12位につけ、好調ぶりがうかがえる。「4回生を中心にしたチーム」で、絶対的エースの小嶋郁依斗(4年、滋賀学園)は、「20数年ぶりに京産大記録を更新」したそう。関東勢に一矢を報いることができるか。 ■目標が「シード権」または「入賞ライン」のチーム(前回順位/今大会出場回数/過去優勝回数) 城西大学 5位/2大会連続11回目/0回 大東文化大学 7位/3大会連続45回目/7回 東京国際大学 8位/6大会連続6回目/0回 東海大学 9位/11大会連続37回目/2回 東洋大学 14位/17大会連続32回目/1回 日本体育大学 -位/3大会ぶり44回目/11回 立教大学 -位/初出場 帝京大学 12位/2大会連続16回目/0回 神奈川大学 -位/2大会ぶり19回目/3回 京都産業大学 -位/4大会ぶり49回目/1回