森永康平氏が解説する「投資に向いている人・不向きな人」
「堅実な冒険」ができるコア・サテライト戦略
投資手法の一つに「コア・サテライト戦略」というものがあります。運用資産の7~8割を中核として安定的に運用し、残り2~3割を衛星として、リスクをとりつつハイリターンな投資をするやり方です。 例えば、8割をインデックスファンドの長期積立、2割を個別株に投資します。すると、仮に個別株の株価が20%下がっても、減るのは資産全体の4%と、わずかなダメージで済みます。逆に、大きく上がれば資産を効率的に増やせます。安全性を確保しつつ、冒険もできる方法と言えるでしょう。 個別株に興味を持たれた方に、最後に一つ、「勝つコツ」をお伝えしておきましょう。一般的には、「業績が良くなりそうな企業の株を買うべし」とされますね。その通りではありますが、それはすでに皆がしていることです。 例えばコロナが流行して「製薬会社の株が上がりそう」は、皆が考えつきます。当然即座に上がりますから、飛び乗っても高値で買うことになるだけです。ここは、「風が吹けば桶屋が儲かる」式の連想を、いかに働かせられるかが肝です。 コロナ期には、かつら関連銘柄の株価が軒並み上がりました。というのも、リモートワークが浸透し、オンラインミーティングが増え、ふだん自分の顔をしげしげ見ることのない男性が、画面に映る自分の容姿(とりわけ頭髪)を気にかけ始めたからです。 流行が始まった時点で、ここまで予測できるような人が「出し抜ける」のです。決算を読む能力や、経済の知識もあるに越したことはないですが、実はこれが一番の決め手。「妄想力」「連想力」に自信のある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
森永康平(経済アナリスト)