ハイビスカス茶の原料「ローゼル」特産品へレシピ競う 千葉・大多喜
千葉県大多喜町は、食材の風味を引き立てるハーブの一種で、ハイビスカスティーの原料として知られる「ローゼル」の栽培に力を入れている。耕作放棄地の解消に役立ち、有害鳥獣の被害も受けにくい点に着目し、新たな特産品に育てる考えだ。2024年末は初のレシピコンテストを開き、さまざまな調理法をPRした。 町農林課によると、ローゼルはアオイ科フヨウ属の植物で、高さ2、3メートルに育つ。果実は9~11月に収穫し、鮮やかな赤とほのかな酸味、爽やかな香りが特徴だ。ビタミンCやクエン酸などを含み、美容や健康に良いとして女性に人気がある。古代にはクレオパトラが愛飲したという説も。 栽培は23年度に始まり、農家14軒が約1トンを収穫。ジャムとお茶向けの乾燥果実を道の駅「たけゆらの里おおたき」で販売している。今年度は農家17軒に増えた。 コンテストは調理時間30分以内、2人分で材料代おおむね5000円以内。24年10~11月に39点の応募があり、1次のレシピ審査は創造性や食材の生かし方などをポイントに11点を選んだ。 2次審査は同12月12日、料理や菓子など11点を審査員9人が試食。味のバランスや見栄え、調理のしやすさなどを点数化した。最優秀賞には山梨秀峰調理師専門学校調理師科(甲府市)の高野みかさんと五味萌(めい)さんが考案した「二層のローゼルチーズケーキ」が輝いた。ローゼルの鮮やかな赤色を生かし、同町産ハチミツも活用。上下2種類の味を楽しめるケーキだ。 栽培農家の小高一哲さん(48)は「収穫は手作業で手間がかかるが、いろいろな食べ方が知られるようになれば普及する」と期待。平林昇町長は「コンテストのレシピ集を作りたい。調理法をPRし、需要拡大から生産増加につなげたい」と話した。【高橋秀郎】