接戦が伝えられた激戦7州は「トランプ氏一色」…都市部・富裕層にも浸透
【ワシントン=池田慶太、淵上隆悠】米大統領選(5日投開票)で、米メディアは9日、アリゾナ州で共和党のトランプ前大統領が勝利したと報じ、全50州と首都ワシントンの結果が出そろった。トランプ氏は538人の選挙人のうち312人を獲得し、民主党のハリス副大統領の226人に大差をつけた。接戦が伝えられた激戦7州は、トランプ氏がすべて制した。 【写真】トランプ氏の不倫相手とされる元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさん
準備本格化
トランプ氏は13日、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、政権移行への準備を本格化させる。ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官は10日のCBSニュースのインタビューで両氏の会談について、「国内と外交の最重要課題について協議する」と述べた。
トランプ氏は6日未明の勝利演説以降、公の場に姿を見せておらず、フロリダ州の自宅で人事などを検討しているとみられる。10日にはSNSで、第1次政権で移民・関税執行局(ICE)の局長代行を務めたトム・ホーマン氏を国境管理の責任者に起用すると発表した。トランプ氏が選挙戦で訴えた「米国史上最大の不法移民の強制送還」を担当する。
国連大使には、下院共和党ナンバー3の議員総会議長を務めるエリス・ステファニク氏を指名した。トランプ氏は10日、米紙ニューヨーク・ポストに対する声明で、「エリスは信じられないほど強く、タフで、賢い『米国第一』の闘士だ」と語った。
20年ぶり
一方、トランプ氏は10日に自身のSNSで、大勝となった今回の大統領選結果について「神に感謝する」と述べた。アリゾナ州での勝利により、トランプ氏は激戦とみられた7州すべてで勝利が決まり、総得票数でもハリス氏を上回った。
AP通信の米東部時間11日未明時点の集計で、トランプ氏の全米の得票総数は約7483万票となり、ハリス氏の約7123万票を上回っている。集計作業は続いているが、2004年以来、20年ぶりに共和党候補が民主党候補を上回る見込みだ。トランプ氏は、20年前回選の自身の得票(7422万票)をすでに上回った。白人労働者などの岩盤支持層を固め、無党派層や民主党支持層にも食い込んだことが出口調査から判明している。