「料金は払えないけど片付けてほしい」何度もゴミ屋敷になる女性の“あり得ない依頼”を受けた理由
「私たちが動画を配信する意味って片付けるきっかけづくりだと思うんです。水漏れで工事が入るとか引っ越しとか、それこそ私たちの動画を見たとかいろんなきっかけがあると思うんです。だから、私たちはいろんな角度からいろんなきっかけを提供し続けないといけない。 私はゴミ屋敷をゼロにしたいとか、ゴミ屋敷の住人に二度とゴミ屋敷にならないでほしいとはまったく思っていません。どうしたら部屋を片付けられるかを考えるよりも、誰かに気軽に相談をできる状況をつくるほうが、ゴミ屋敷という社会問題の解決に近づく気がしているんです」(二見氏)
「経営」という観点で見れば、分割払いの場合は利子をつけたり、そもそもクレジットカード支払いや口座引き落としにしたりするといった対策が合理的だろう。しかし、そういった「水際対策」を講じてしまうことで、救われない人が一定数出てくる。そして、そんな人たちこそを救いたいというのが二見氏の考えだ。 「私も正直、全額払ってもらうまでは納得はできないです。でも、批判をしても仕方がない。この女性みたいな方が逃げられる場所もつくっておかないと。全員で崖に追い詰めてしまったら、もう落ちるしかないじゃないですか」
“追い詰めたら、落ちるしかなくなってしまう” あらゆる社会問題に対して張られるセーフティーネットを考えるうえで、必要不可欠な考え方だと感じた。
國友 公司 :ルポライター