なぜ日本の車いすラグビーは強くなったのか…企業経営者が非営利団体の経営に乗り出すプラス効果とは
企業経営者は皆非営利団体の経営もやったほうがいい
オイシックスではいま球団「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」を経営している。高島氏は「企業経営者は皆、非営利団体の経営もやったほうがいいと思っているんですよね」と語る。 「スポーツ団体だけではなく、様々なNPOなど本当にやったほうがいいとおもっていて、法律で『上場したら非営利団体に一つでも関与しないといけない』と定めたらいいと思っています」 その理由は2つだ。 「企業経営者にとって非営利団体では当たり前のことが当たり前ではない。例えば決め方を決める、意思決定のプロセスをつくるというマネジメントを我々は日々やっているのですが、多くの非営利団体ではこれまでそうではなかった。それ以外でも広報や営業、経理という企業経営者にとっては当たり前のことが、非営利団体にはすごく役に立つ部分があるのでいいと思います」
ダイバーシティ経営体験が自社に役立つ
また企業経営者にとっても大きな利点があるという。 「我々は普段ダイバーシティ経営と言っているのですが、こうした団体では有償無償の人たちが混じっているし、障がいの有無も度合いも違う。これだけ違いのある人たちをマネジメントするダイバーシティ経営を体験することは、自社の経営にもすごく役に立つと思うんです。だからどっちにとってもプラスになると思います」 日本の車いすラグビーが金メダルを獲得した際、元フェンシング日本代表選手の太田雄貴氏はSNSで、高島氏を「財務の健全化を図ると同時に、マーケや、プロモーション、自治体との連携に至るまで様々な取り組みをされました。オリンピック競技も参考にした方がいい水準の取り組み方でした」と称賛した。 企業経営者が非営利団体の経営に乗り出すことが、お互いのプラスとなるのだ。 (執筆:フジテレビ報道局解説委員 鈴木款)
鈴木款