俳優・柴本幸さん、アメリカ移住し「笛吹き」として活動…「笛との出会いは運命」
帰国時には、吉沢さんと一緒に何度もコンサートをしてきた。「笛の古典や、王道の作家の作品など、まだ師匠から学ぶことが山ほどあると思っています。だから、今後は日本にいる時間が今より増えるかも知れません」。来年春も国内でコンサートを行う予定だ。
「体と笛さえあれば、どこへでも」
再び日本に拠点を置く可能性はあるのだろうか。「ありえると思います。私って安定に興味がなく、風来坊みたいなところがあるんです。両親は私の決断を尊重し、今の私の姿を喜んでくれているのですが、『私、鉄砲玉みたいでごめんね』って言うと、諦めているみたいな顔になりますけどね」と苦笑する。
自らを「笛吹き」と名乗る柴本さん。「笛を担いで、呼ばれたらどこへでも吹きに行くっていうスタイルでいたいんです。スニーカーにデニムという格好で、体と笛さえあれば、どこへでも行く。そんな身軽さでいたいから、『笛吹き』と名乗った方がしっくりくるんです」と理由を語る。
「ちょっと前に、すごくうれしいことがありました。師匠に『幸って、本当に笛吹きになったんだね』って言われたんです。憧れだった師匠の世界にほんの一歩でも入れていただけたのかな」と先生に褒められて喜ぶ生徒のような笑顔を見せた。