2024年M1、松本人志さんの抜けた役割は誰が担ったのか、審査員9人は最適なのかをデータで確認する
【これはnoteに投稿された松本健太郎さんによる記事です。】
【M-1の夢をみる 歌人・枡野浩一】 ※ここに貼られていた記事のURLは【関連記事】に記載しています
芸人になりたい若者の動機は昨今、何なのだろうか。55歳の僕を動かすものは「モテたい」とか「金持ちになりたい」とかではない。自分の短歌を、紙の本の中ではなく、ステージや映像の中に置いて輝かせてみたい、という、だれにも共感されにくい欲望で動いている。10年前はそのどうかしている欲望に、もっと純粋な欲望で動いている相方たちを付き合わせてしまって失敗しているから、今世はピン芸人として活動している。 《この夢をあきらめるのに必要な「あと一年」を過ごし始める》『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』(左右社)より そんな自作短歌を書き添えた入学希望書類を提出してから、数か月が過ぎた。果たして自分は、この夢を、あきらめることができるだろうか? 阿部一二三選手のクジ運に「これがオリンピック連覇して金メダルを獲る人間の強運か」と全国民が慄いた24年のM1グランプリ。再びトップバッターで登場し、阿部一二三選手同様に連覇を果たした令和ロマン、皆さま、お疲れさまでした! 18年は久保田暴言問題、19年は上沼大暴走問題、20年はあれは漫才なのか問題、21年は上沼大暴走問題リターンズ、22年は山田かつてない採点問題、23年はナイツ塙「M-1八百長ドッキリ」問題…。 毎年何かしらネットが荒れるM1グランプリ。記念すべき20回目のM1は、松本人志さん不在という「最悪」の事態で幕を開けましたが、終えて見ればネットも荒れることが無く、バッテリィズのエースさんという「ワクワクするバカ」の活躍を目の当たりにするだけでなく、「うんこサンドイッチ」「剛力彩芽の顔を入れ替える」「偏った政党のポスター」「にぎり海峡飯景色」「細そう過ぎる」「自転と公転さえ分かれば」など様々な名言が飛び出して、過去最高の余韻に浸っています。 筆者は、バッテリィズが優勝だと思っていました。昨今トレンドの「誰も傷付けない笑い」(アンチテーゼとしてのウエストランドの毒舌)を超越して「言いたいことも言えないこんな世の中に誰かを救う笑い」としての完成度がえげつなかった。1週回ってアホが1番賢い。 毎年、データを用いて分析を行い、何かしらのバイアスを浮き彫りにするのが筆者にとって恒例行事だったのですが、今年はデータを用いて「松本人志さんの穴を埋めたのは誰か?」「審査員は本当に9人が良かったのか?」を考えたいと思います。