安宅漁港に土曜限定の直売所 漁協小松支所 未利用魚、空き施設生かす
●盛況受け店舗拡充 県漁協小松支所が小松市の安宅漁港に土曜日限定の直売所を開き、量が少なく出荷できないなどの未利用魚を生かした割安な刺し身や総菜などを並べ、盛況となっている。5月の開設後、住民や飲食店関係者らファンが増えてきたため売り場を拡充し、2日にリニューアルオープンした。安宅で水揚げされた海産物の魅力を発信するとともに、地元の調味料も活用した新商品開発も進めていく。 直売所運営の中心となっているのは、組合員の中島睦美さん(54)=小松市村松町=。二十数年前に高知県から移住し、塗装工や調理師を経て「もともと釣り好きで、いつかやりたかった」という漁師に就いて6年目になる。 組合員の漁船2隻の乗組員をしている中島さんは昨年、サイズが小さい、漁獲量が箱単位に満たない、取り扱いが難しい、単価が安いなどの理由で出荷されない未利用魚に着目。安宅漁港内でほぼ空き施設となっていた加工小屋を拠点に、廃業したスーパーなどから格安で機材を集め、土曜日限定の直売所を始めた。 中島さんによると、価格の手ごろさや珍しい魚介類も並ぶことが人気となり、午前11時~午後2時の営業で1日当たり30組ほどが訪れるようになった。手狭になったため10月に臨時休業し、敷地内の別の小屋を移設して直売所につなげ、増設していた。 2日はスズキやタイ、フクラギ、アジなどのほか、コショウダイ、サゴシのあぶり、フグのたたきといった品も割安な価格で販売され、雨の中で開店前に並ぶ利用客も見られた。 中島さんは、県漁協小松支所が今年度、いしかわ里山振興ファンド事業の採択を受けたことを生かし「地元産の未利用魚と調味料を使った干物を開発したい」と意気込んでいる。