深夜ドラマ主演の20歳俳優の“まさかの父親”。有名CMも堂々と受け継ぐ最強のポテンシャルとは
毎週火曜日深夜24時30分から放送されている『ウイングマン』(テレビ東京)主演の藤岡真威人は、まだ20歳の新人ながら、フレーム(画面)に対する感性が優れている。 【画像】3人の姉妹も美人揃い…最強のポテンシャルを持つ家族写真! 父は藤岡弘、(以下、藤岡弘)。初代ライダー俳優の息子が、本作で新たな特撮ヒーローを演じているだけでも面白いと思う。 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、令和最強のポテンシャルを感じる藤岡真威人を解説する。
『ウイングマン』に感じるユニークなヒーロー像
ずいぶん頼りないヒーローがいるもんだ……。『ウイングマン』の主人公・広野健太(藤岡真威人)は、特撮ヒーローに憧れる高校生。授業そっちのけで大好きなヒーローの絵を描いて、学校帰りに持参したコスチュームで変身することを楽しみにしている。 単に憧れるだけではあきたらない。健太は、コスチュームで変身したからには世直しとばかりに意気込み、タバコのポイ捨てなどを取り締まる。それくらいでやめとけばいいのに、第1話でクラスメイトの小川美紅(菊池姫奈)が不良に絡まれているところに遭遇して放っておけなかった。 見た目はヒーローだが中身は普通の高校生である。健太は、返り討ちにあってぼこぼこにされる。これが令和の新しいヒーロー像なのかはよくわからないが、でも本作にはそれなりにユニークなものを感じる。
ドタバタ喜劇映画で多用されていたカットのつなぎ方
なにがどうユニークなのか。不良たちに絡まれる美紅と遭遇した場面を確認してみる。健太が親友の福本智夫(丈太郎)と歩いている少し先の方に美紅たちがいる。健太は迷わず向かう。画面上手からフレームアウト。 次のカットで不良たちを今まさに相手にしようとする健太が、今度は画面下手からフレームイン。よーく見ていなければ、なんてことはない場面に思えるが、現代の映像表現としてこれは古風だなと感じた。 今どき、フレームアウトした人物を本作のようにこんな律儀なフレームインでつなぐことは少ないからである。これはたとえば、チャーリー・チャップリンなどのサイレント期のドタバタ喜劇映画で多用されていたカットのつなぎ方。それを令和の特撮パロディー(?)ドラマであえて使っているところに本作のユニークな魅力を感じたのだ。