ピアース郡保安官事務所のフェイスブックから

　アメリカで36年間、未解決だった殺人事件の容疑者が、DNA分析と家系図の研究を組み合わせた「遺伝子系図学」によって特定され、話題になっている。 【写真】米オハイオ州の殺人犯が逃亡先のメキシコで警察官になっていた！ 　1988年8月、ワシントン州サムナー近郊の川で、着衣をつけていない若い女性の遺体が釣り人によって発見された。 　ピアース郡保安官事務所の捜査で、身元は当時18歳だったトレーシー・ホイットニーさん（写真）と判明。暴行を受けた後、絞殺されていた。 　前日、元交際相手と口論した後、ファストフードの「バーガーキング」から出てきたのを目撃されたのを最後に、行方が分からなくなっていた。 　捜査当局は、遺体から犯人のものと思われるDNAを採取。元交際相手など関係者の事情聴取やポリグラフ検査を行ったが、容疑者を特定できず、事件は迷宮入りとなった。 　同保安官事務所は2005年、DNAサンプルをFBIの全国遺伝子データベースに登録し、捜査を再開したが、成果は得られなかったという。 　突破口が開けたのは2022年。同保安官事務所は、DNAサンプルをバージニア州のバイオテクノロジー企業「パラボン・ナノラボ」に送り、遺伝子系図学テストを実施した結果、ジョン・ギヨット・ジュニアという男が容疑者として特定された。しかし、逮捕はできなかった。ギヨットがその8カ月前に死亡していたからだ。 　ギヨットは火葬されたため、DNAサンプルの直接照合はできなかったが、最近亡くなったギヨットの息子のDNAサンプルが検死官事務所に保存されていたため、ギヨットが容疑者の遺伝子プロファイルと一致していることが確認された。 　36年ぶりの事件解決は、迷宮事件を解明する遺伝子系図学の力を改めて証明したとして注目を集めている。 　　◇　　◇　　◇ 　DNA分析のおかげで新たな事実が分かるように……もっと読みたい人は、以下の■関連記事もどうぞ！