大神いずみ「中2になる次男の遠征に帯同して大阪へ。お天気に振り回される中、先輩野球母たちの段取りと結束に圧倒されるばかり」
大神いずみさんは、元読売巨人軍の元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をした。球児の母として伴走する大神さんが日々の思いを綴る。 【写真】父・元木大介さん譲り?瑛介くんのバッティングフォーム * * * * * * * ◆次男・瑛介のチームの全国大会 こんなに暖かな心地よい陽気なのに。 年度末の世の中、どこもかしこも「バタバタ」な慌ただしさも、私には目の前をパフんパフん乱れ舞う花粉ですっかり黄色く霞んで見える…。 日差しに温められた生ぬるい空気にクシャミが止まらない。…っシュン!! そして今わたしは、背中を丸めてお茶を満たした湯呑みを前に…ピクリとも椅子から動けない。 先週は5日間、中2になった次男・瑛介のチームの全国大会で大阪に滞在していた。 息子は微力ながら背番号をいただいて1学年上のチームに帯同させてもらった。試合は負けてしまったが、貴重な貴重な経験。来年また同じ場所に戻ってくるためには…どうすんの!? そんな練習がもう始まっている。 長男の時からこれまで1度も「全国大会」を経験したことがなかったわたしは、駆けつけ一番、開会式が行われる球場の駐車場に全国各地から乗り付けられたおびただしい数の大型バス群に、圧倒されてしまった。 バスの大きさ、数だけではない。 バスの側面に大きく書いてあるチーム名に、「いいなぁ、バス持ってるチーム」とうらやんでいたのだが、そのナンバープレートが明らかに北海道、東北、関東、四国、九州なのだ。 「バスでここ(大阪)まで!?」 当たり前ではないか。全国大会なのだ。
◆大会初日 東京から大阪への遠征など、親が自家用車に道具を積んで行くのも当たり前。 東北から四国中国九州までチームのバスで遠征してくるのも、道具の多いアマチュア野球の世界ではごく当たり前(野球に限ったことでもないが)。 乗せてもらう選手たちも相当旅慣れていくものなんだろうか。「乗り物に酔う」「お尻が痛い」を通り越して、やがてどこへでもバスや車に乗って移動して、降りたら試合、終わってまた移動というくりかえしで強靭な体力を身につけるのだ。 その日常、まず凄い。 私は何度生まれ変わっても、自分の運転で東京から大阪まで行ける気が1ミリもしない。 うちはバスを持たないチームだ。むしろ珍しいほうかもしれない。でも必要があろうと絶対にわたしは無理に運転しない。どこまでも荷物を担いで電車や飛行機を使って球場に辿り着こうと心に決めている。 運転歴25年近く経っても、自分の運転ほど信用できないものはないからだ…恐ろしい。 でもこんなことに今さらいちいち度肝を抜かれている私。 マイクロバスでの長距離移動で遠征に出るのなんて当たり前すぎてツッコミようもないようなことに、わたしはひどく衝撃を受けていた。 そんな大会初日。 いろんなチームを見かけた。嬉しそうにキャッキャ笑いながらバラバラに歩くチームもあれば、集団行動みたいに一糸乱れぬ整列で行進するチーム。やたら「うりゃぁー!でやー!」と掛け声をかけて行動するチーム、なぜかみんな眉間に皺を寄せてニコリとも笑わないチーム。
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