大神いずみ「中2になる次男の遠征に帯同して大阪へ。お天気に振り回される中、先輩野球母たちの段取りと結束に圧倒されるばかり」
◆初めて経験した全国大会 どこも我がチーム以外は憎たらしいほど強そうに見えてしまうのは、うう、私だけか? 細かい雨がとめどなく降りしきって開会式は中止、翌日の1回戦も各球場で中止が決まった。 雨天でも体を動かせるところがあれば練習するし、ミーティングや素振りなど宿舎でできることを監督コーチから指示される。 ちょうど選抜高校野球の行なわれている時期と重なるので、テレビ観戦。試合の前後にチームでチケットを取り、実際に甲子園に足を運んで試合を観戦できるのも、この時期の大阪ならではだ。 今回初めて経験した全国大会で何に一番驚いたかというと、予定されたスケジュールの二転三転にその都度対応を迫られる、各チームの「機動力」である。 チームの遠征生活全般を滞在中下支えするのが父母たち。知らない土地で、大世帯で。 これは我がチームに限らず、どのチームでも日常的に父母たちがサポートしていることの延長であって、この世界では当たり前。普段父母サポートのないチームでさえ、全国大会ともなれば多少の帯同とサポートは必要なのだ。 だけどこれ、ほんの野球の外側にいる人たちにとってはまったく知り得ないことだと感じたので、今回改めてここにご紹介したい。 とにかくお天気にぶんぶん振り回されるのが野球である。
◆開会式中止 開会式が行われる球場に全てのチームが揃ったところで、開会式中止が決まった。 ここで予定していた行程がガラガラと変更される。 試合の時間・球場が変わるのに連動して、現地で発注したお弁当、バスの発着時間、ホテルの夕食・朝食の時間、練習場までの道具の運搬、軽食の準備、洗濯物の分担…予定していたすべての調整が必要になる。うわうわうわうわうわ…!? あらかじめ3年生の父母たちで細かく役割が分担されていて、それぞれの担当父母がとてもキビキビと対応にあたっていた。まるで最初から動きが決まっていたように、携帯片手にテキパキと。 今年わたしは1つ下の学年で初めての帯同だったので、必要なところにその都度指示を受けてお手伝いに入ることにした。何か言われたらいつでもシャー!と出動できる準備をしていた。 ちなみに今回試合のために大阪に入ってチームに帯同した父母は、1週間たらずの滞在中最多で40人強、最少で10人足らずだったようだ。子どもは春休みでも親は年度末の平日、わざわざ有給を取ったりして何とか1日でも大阪に足を運んでくる親が多くいた。 我が家もプロ野球の開幕や長男の最後の引越し荷物を送り出す作業が重なったので、チームが勝ち進んだとしても最後まで帯同することはできなかった。 何とか父母たちが入れ替わり立ち替わりチームに帯同して、大会中の選手達のサポートにあたっていたのだ。 選手は基本的にホテルに宿泊だが、父母たちはこの時期同じ宿が満室なこともあり、別の宿をとったり親戚宅に泊まる人もいる。わたしも長男の部屋から毎日宿に通った。 東京から車で来た人は用具やお弁当などの運搬も手伝う。不慣れな現地の道でもナビ1つでどこへでも向かう。ナビってホントありがたい。道わかりません、など言っていられないのだ。
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