歯の生え変わり時期、特に気を付けたいむし歯になりやすい歯はどれ?【歯科医師に聞く】
一生ものの歯。子どものころから、ケアには気を付けたいものです。個人差はありますが、6~7歳ごろからスタートする乳歯から永久歯への生え変わり、どんなことに注意すればいいのでしょうか。新江古田こばやし歯科クリニックの小林奈未子さん聞きました。『AERA with Kids 2024 秋号』(朝日新聞出)から紹介します。 【図】むし歯のリスクが高いのはこんな子!チェックリストはこちら ■生えはじめの永久歯はむし歯になりやすい 3歳前後に生えそろった乳歯は、6~7歳ごろから永久歯に変わりはじめ、12歳前後で親知らずを除く28本の永久歯がすべて生えそろいます。乳歯と永久歯が混在している6~12歳ごろの時期は、混合歯列期と呼ばれます。ただし、乳歯が抜けたり永久歯が生えたりする時期は「個人差が大きい」と小林歯科医師は言います。 「成長における歯の変化はわかりやすいので、周囲と比べて『抜けるのが遅いのではないか』と心配される方もいます。まれに歯が足りない場合もありますが、生え変わりが遅くても問題がないケースがほとんどです」 混合歯列期に注意したいのが、むし歯になりやすい生えはじめの永久歯。特に要注意なのが「6歳臼歯(第1大臼歯)」です。乳歯の奥歯のさらに奥から生えてきます。永久歯の歯並びの中心となる大事な歯ですが、顔を出してから生えきるまでに1~1年半かかります。早い子は5歳ごろから生えてくるので、日ごろから口の中を観察して、生えはじめていたら、ていねいにみがきましょう。 ■歯の生え変わりQ&A Q 歯が抜けたところの歯みがきのポイントは? 歯が抜けて、永久歯が生えていなければ、みがかなくても大丈夫です。永久歯が少しでも顔を出していたらみがきますが、永久歯が生えはじめの歯ぐきは、やわらかく出血しやすいので、慎重にみがきましょう。また、抜けた部分の隣の歯は、側面がむき出しになってみがきやすくなるので、よりていねいなケアを。 Q ぐらぐらしていたら手で抜いてもいい? ぐらぐらしている期間が長いと、その部分をうまくみがけなくなり、周辺が汚れて、歯肉炎のようになることがあります。その場合、基本的には自分で抜いても問題ありません。ただし、状態によっては抜かないほうがよいケースもあるので、定期健診のタイミングで、歯科医院に相談することをおすすめします。
Q 永久歯の真ん中にツノがある… 下の歯の、前から5番目(第2小臼歯)の永久歯にできやすく、「中心結節」と呼ばれます。問題となるのは、かんで折れる場合があることです。神経も一緒に折れてしまうことがあるので、周囲をコーティングするなど、神経を守る対策が必要です。歯科医院で定期的に診てもらいましょう。 (取材・文/中寺暁子) ○小林奈未子/昭和大学歯学部卒。予防医療を軸とした新江古田こばやし歯科クリニック(東京都中野区)で、小児歯科を担当。中1、小4、小2の母。日本小児歯科学会専門医。
中寺暁子