「60歳からの資産運用」と「若者の投資」の決定的な違い
● 話題のNISAやiDeCoは やったほうがいいのか 近年よく話題になるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)についても、やったほうがいいのかと聞かれることがあります。私は、NISAやiDeCoは基本的に若い世代の「資産形成」に適した制度であり、シニア世代が無理にやるものではないと思います(やってはいけないものではありません)。なぜなら、制度上の条件や手続きがいろいろあり、簡単にいうと面倒だからです。 そうしたことが苦にならないのならいいですが、私が知る限りシニア世代のみなさんにとって細かな手続きや注意事項は、段々と年齢とともに精神的な負担になりやすい傾向があります。 人間は誰しも、年齢とともに細々したことが面倒に感じたり、判断力が衰えたりするものです。投資においても同じです。 シニア世代の資産運用では、頻繁に売買が必要な投資や、さまざまな情報に一喜一憂するような投資は避けたほうがいいでしょう。できる限り、ほったらかしでも安心でシンプルな運用。これに勝るものはありません。 2020年から2022年の間には、コロナ禍があり、ロシア・ウクライナ戦争が起こり、米国のインフレや利上げにより円安が急速に進んだりもしました。このような事態が起きるたびに、投資や運用の成果に不安を感じたり、ストレスを抱えたりするのは、本当に嫌なことですよね。 経済や社会が大きく動くときに慌ててしまうのは、やってはいけない資産運用に当てはまる金融商品や金融サービスに手を出している証拠です。 ● 相場の変動に一喜一憂する投資は シニア世代にはいらない 具体的には株式の比率が高かったり、特定の金融商品に多くの金額を振り向けたりすることで、リスクをとりすぎているのではないでしょうか。 資産運用する人の中には、株式相場が割下がっただけで大騒ぎする人もいれば、割下がったところで気にしない人もいます。それは性格の違いもあるかもしれませんが、実際はリスク許容度の差や保有している商品の違い、投資金額の保有資産対比によるところが大きいでしょう。