<安保法制>ガイドライン再改定で日米同盟はどう変わる?
政府は14日、「国際平和支援法案」など安全保障関連11法案を閣議決定しました。今後は国会に提出され、議論されることになります。この閣議決定には、米政府も歓迎の意を示しています。これらの法案は、4月に再改定した「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」を裏付けるものになるからです。「地球規模の同盟」や「切れ目ない防衛協力」をうたった新しいガイドラインはどのようなものなのでしょうか。この再改定で、日米同盟はどのように変わるのでしょうか。
首相「夏までに安保法整備」
日米両国は4月27日、「防衛協力のための指針(以下「指針」。ガイドラインと呼ばれることもあります)」を改定しました。「指針」とは、平たく言えば、日米の防衛協力のための具体的な方法や分担などを定めたもので、情報収集、防空・ミサイルへの対応、訓練、施設の利用、避難民の保護、捜索・救難などの具体的な事態が想定されています。 日米間には安全保障条約(安保条約)がありますが、これは両国の法的な権利・義務を定めたもので、具体的事態において日米は「指針」にしたがって行動します。 「指針」は条約でないため国会の承認は必要でありませんが、両国間の約束であり、日本の安全保障にとって非常に重要です。 「指針」が初めて作られたのは1978年で、アフガニスタンへの侵攻などソ連の脅威が増大しており、日米両国は迅速に安全保障協力を行なうことが必要になっていました。 冷戦の終了後、グローバル化の進展とともに日米両国はアジア・太平洋の平和と安全に従来以上大きな責任を認識するようになり、1997年に「指針」が改定されました。 今回の改定は第2回目です。第1回目の改定から18年の年月が経過してアジアの安全保障環境は大きく変化し、とくに中国の急速な軍事力増強は日米両国にとって非常に懸念すべき問題となっています。米国は核の抑止力を堅持する一方、軍事戦略の見直し(リバランシング)を行ない、アジア太平洋を重視する姿勢を鮮明にしています。 日本は2013年12月に策定された「国家安全保障戦略」の下で、一方では、その翌年に決定された「防衛計画の大綱」に基づく防衛力を保持しつつ、他方で安全保障関係の法整備を進めており、安倍首相は「夏までに法整備を完了する」と公言しています。