平野美宇 夢は叶った。次の目標は…「わくわくするような環境を作ることが大事」
夢は叶った。次の目標は……。それを探すために平野美宇は、思い出の地であるドイツ・デュッセルドルフを訪れた。ここは平野の「始まりのまち」だ。 【LIVE配信】「WTTファイナルズ福岡2024」11月20日(水)~24日(日)開催!(結果速報・トーナメント表) 「(前回は)多分、パリオリンピックの選考が始まったばかりの時です。その時は今後のパリに向けてしゃべってたんですけど、もうパリが終わったって早いですね、本当に。早すぎる」 世界卓球2017デュッセルドルフ大会。当時17歳の平野は難敵を次々と破り、女子シングルスで銅メダルを獲得した。 中国に独占されてきた表彰台の一角をこじ開けたのは、実に48年ぶりの快挙だった。歴史を動かした17歳はその時、大志を抱いていた。 「中国選手に勝てる選手になりたいです。中国選手と自分というくくりがあって、その下に壁があるみたいな」自信にあふれた表情で話す平野。“私が日本のエース”。周囲も認めるほどの成長を見せていた。 そんな勢いを持って臨んだ東京オリンピック女子シングルス選考レース。 1枠目は伊藤美誠が抜け出し、2枠目を石川佳純と争うことになる。終盤まで続いたデッドヒート。しかし直接対決に敗れ、シングルスでの東京オリンピック出場は叶わなかった。 「シングルスに…行き…たかったので、行け…なくてすごく…悔しいです」。人目もはばからず泣きじゃくり、とぎれとぎれのコメントには悔しさがあふれ出ていた。この時平野はパリオリンピックでのシングルス出場を固く心に誓った。 強い決意で臨んだパリオリンピックのシングルス選考レース。しかし、第1回選考会は8位と出だしからつまずく。 その後も振るわず、一時は14位まで順位を落とした。それでも、平野の心は折れなかった。人生の目標だから。 「自分の卓球人生でパリのオリンピック、そして個人戦に出場するんだ、という気持ちをすごく持っていたんで」 第3回選考会で初優勝を飾るとその後の大会で順位を上げ、悲願であるパリオリンピックのシングルス代表の座を手中に収めた。 8年越しでつかみ取った夢の舞台。念願のシングルスは5位に終わったものの、団体戦では銀メダルを獲得し2大会連続で表彰台に上がることができた。 「私の中ではパリが一番大きかったので、パリが終わってからは今後について考えたりとか、休みながら、そういう機会になったらなと思います。今は絶対にこれがしたい、ということは決まっていません。自分に近い目標を探してやっていきたいです」 “燃え尽き症候群”に近い状態だからこそ、次の夢が必要だった。 新たな目標をもとめて訪れた“始まりのまち”デュッセルドルフで平野が足を踏み入れたのは、ドイツ代表チームの練習場。 オリンピックでもメダルを獲得しているヨーロッパ屈指の強豪国だ。積極的なタイプとは言えない平野が自ら動いて、ドイツのトップ選手や代表監督とコミュニケーションを取っていた。 「いい刺激にもなりますし、普段ヨーロッパの選手と練習することがないので、新しい発見があるといいなと思います。目標の作りようはたくさんあると思うんですけど、毎日小さいことでも、わくわくするような環境を作ることが大事だと思うので」 新しい目標を見つけるには、新しい取り組みから。異国の代表選手に交じり、汗を流す。これが平野の新たな目標の見つけ方だ。さて思い出の地での練習を終え、自らの未来は見えたのだろうか。 「今はオリンピックが終わったばかりなので、すぐに(次の目標を見つけるの)は難しいんですけど、自分の中で何がしたいのか、どういう目標でやっていきたいのかを試合をしながら考える時期だと思っています」 目標を見つけるための試合は、もう目の前に迫っている。WTTファイナルズ福岡は世界ランキング上位16名が参加する大会で、同13位の平野もエントリー済。 初戦は21日(木)、同14位ポルカノバ(オーストリア)と対戦する。この大会を終えた時、平野がどんな解答を出すのか楽しみだ。 テレ東リアライブ編集部
テレ東卓球NEWS