“日本株”を買いまくる外国人投資家の実像とは?
今回のテーマは、「沸騰!マネーの行方」。 日経平均株価が史上初の4万円を突破。世界のマネーが、再び日本に熱い視線を送っている。一方、国民の暮らしは物価高などで“景気回復”を実感できないまま…ニッポンが“豊かさ”に溺れたバブル期と「失われた30年」を経た今は何が違うのか。変革期を迎えている日本経済とマネーの行方を追う。 さらに、「金利ある世界」の復活で中小企業や金融機関はどう生き残るのか。ある町工場の親子と信用金庫の社員に密着。金融市場で起こり始めた地殻変動の最前線を描く。 【動画】“日本株”を買いまくる外国人投資家の実像とは?
「中国はこれからおかしくなっていく…」日本株に流れるチャイナマネー
「みなとみらい」のゴージャスな夜景を特等席で眺められるマンション。2億円をくだらないこのマンションで暮らしているのが、中国出身の陳 満咲杜さんだ。 1992年、日本円にして5000円ほどを握りしめ、日本にやって来た陳さんは、ラーメン店でアルバイトをしながら生活費を稼ぎつつ、株式投資を始めた。この部屋は、陳さんが株取引で得た利益で2年前に購入したものだ。 実は今、日本株に続々とチャイナマネーが流れている。陳さんは「財産が没収されたり、実業家たちが刑務所に入れられたり、そういう実例がたくさんあったので、当然海外に持ってきて運用する。『中国はこれからおかしくなっていく』というのを感知したのではないか。お金持ちほどリスクに敏感」と話す。
3月。東京・兜町で行われたセミナー。約300人の在日中国人向けに、陳さんは自身の経験を踏まえて、日本株の情報を伝えていた。 「日本の株式市場に目を向けないことは、人生で最大の投資チャンスを逃すことになる」。
中国人の個人投資家の年齢はさまざまだが、若い参加者の姿も。参加費は10万円近くするものもあり、セミナー後は情報交換の場になる。 日本株のうち外国人投資家の保有比率は、1990年度にはわずか5%ほどだったが、30年余りで30%以上に増加(2022年度 株式分布状況調査)。外国人の投資家たちは、なぜ今、日本に熱い視線を送っているのか。