好調な宇都宮LRTの初年度 地域の移動手段として定着 梅原淳
平日は通勤、通学の利用者がおおむね予想通りに推移した点が好調の主な要因だ。宇都宮ライトレールによると、今年2月中旬の1週間の平日における1日平均乗降者数は、起点の宇都宮駅東口停留場がトップで9000人、次いでホンダの事業所の最寄りの停留場となる終点の芳賀・高根沢工業団地停留場の2600人だった。そのため、利用者が単に多いだけでなく、全線を乗り通す人が多く存在することがうかがえる。 土休日では買い物、スポーツ観戦での利用が多かったという。24年2月中旬の土休日における1日平均乗降者数を見ると、トップは宇都宮駅東口停留場の7700人で、2位は多数の買い物客を集める大型ショッピングモール、ベルモールへの最寄りとなる宇都宮大学陽東キャンパス停留場の4100人であった。 スポーツ観戦での利用は、グリーンスタジアム前停留場近くの栃木県グリーンスタジアムをホームとするサッカーJ2・栃木SC主催の試合が特に多くの人々を集める。今年2月中旬の調査時には栃木SCの試合は開催されなかったものの、それでも平日に1日平均1400人が乗降と、宇都宮駅東口、芳賀・高根沢工業団地、宇都宮大学陽東キャンパスの各停留場に次ぐ人々が乗り降りしたという。 宇都宮ライトレールの目的は、宇都宮市、芳賀町に中量輸送規模の交通機関の整備とともに、道路渋滞の緩和であった。宇都宮駅東口─宇都宮大学陽東キャンパス間の線路が敷かれている大通りの鬼怒通りでは、日中の自動車などの交通量が昨年9月14日に約1万6000台と、15年10月の約2万4000台と比較して約3分の2程度に減少し、効果が確認されている。 ◇2編成を追加導入へ 新年度を迎えても宇都宮ライトレールは引き続き好調だ。4月1日にはダイヤ改正を実施し、各駅停車のスピードアップや朝夕ラッシュ時間帯の増発が実施され、主要な停留場に停車する速達列車の快速も誕生した。これらの施策が功を奏して1日平均の利用者数はさらに増加しており、平日は1万5000~1万6000人、土休日は1万1000~1万2000人となっている。